次は【ルール2】に向かうように思える
今後は、【ルール2】の「一方向への行き過ぎや過剰は、逆方向への行き過ぎや過剰を生む」ように思えます。
大事なことは、「マーケットは常に、ちょうどよいところ≒フェア・バリューで止まることはなく、行き過ぎるところまで行ってしまう」ということです。
過去は利上げが止まると、やがて景気後退に向かっているわけですから、本来ならば、「利上げ終了は要注意のサイン」のはずです。
しかし、少なくない数のマーケット参加者が「景気後退への警戒」を解いていないうちは、景気後退は来ないのがパターンです。
なかなか景気後退が来ず、ひとりまたひとりと景気後退の見通しを取り下げ、最後まで弱気だった人がその見通しを取り下げる頃がマーケットはピークです。その頃は「全員ロングorショート解消」ですから、金融市場では「熱狂」が生じています。
「いまがすでに熱狂か」と問えば、まだそんなふうには見えません。たとえば、利下げ織り込みは健在です。
しかし、グーグルで少しずつ「景気後退」の検索が減り、「ソフト・ランディング」の検索が増えていますから、マーケットは徐々に楽観へと向かっています。
【ルール2】の「一方向への行き過ぎや過剰は、逆方向への行き過ぎや過剰を生む」に戻ると、まずは、景気や株式市場に「熱狂」という行き過ぎや過剰が生じ、その後に反対方向への行き過ぎや過剰である「景気後退」が生じる可能性があると思われます。
「ノー・ランディング、ノー景気後退シナリオ」でできること
仮に、次が「ノー・ランディング、ノー景気後退シナリオ」ならば、できることは「強気相場に乗りながらも半身の姿勢を取って警戒を怠らない」か、「上昇著しい市場で一部の利食いをし、割安にみえる/これまで見放されてきた市場に資金を分散させる」ことが一案でしょう。
重見 吉徳
フィデリティ・インスティテュート
首席研究員/マクロストラテジスト
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