ボブ・ファレルの〈マーケットの10のルール〉で考える、マーケットの今後【マクロストラテジストが解説】

ボブ・ファレルの〈マーケットの10のルール〉で考える、マーケットの今後【マクロストラテジストが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

※本記事は、フィデリティ投信株式会社が提供するマーケット情報『マーケットを語らず』から転載したものです。

次は【ルール2】に向かうように思える

今後は、【ルール2】の「一方向への行き過ぎや過剰は、逆方向への行き過ぎや過剰を生む」ように思えます。

 

大事なことは、「マーケットは常に、ちょうどよいところ≒フェア・バリューで止まることはなく、行き過ぎるところまで行ってしまう」ということです。

 

過去は利上げが止まると、やがて景気後退に向かっているわけですから、本来ならば、「利上げ終了は要注意のサイン」のはずです。

 

[図表4]米国の政策金利と景気後退期
[図表4]米国の政策金利と景気後退期

 

しかし、少なくない数のマーケット参加者が「景気後退への警戒」を解いていないうちは、景気後退は来ないのがパターンです。

 

なかなか景気後退が来ず、ひとりまたひとりと景気後退の見通しを取り下げ、最後まで弱気だった人がその見通しを取り下げる頃がマーケットはピークです。その頃は「全員ロングorショート解消」ですから、金融市場では「熱狂」が生じています。

 

「いまがすでに熱狂か」と問えば、まだそんなふうには見えません。たとえば、利下げ織り込みは健在です。

 

[図表5]FRBの政策金利および今後の見通し
[図表5]FRBの政策金利および今後の見通し

 

しかし、グーグルで少しずつ「景気後退」の検索が減り、「ソフト・ランディング」の検索が増えていますから、マーケットは徐々に楽観へと向かっています。

 

[図表6]「景気後退」と「ソフト・ランディング」の検索トレンド(Googleトレンド;米国)
[図表6]「景気後退」と「ソフト・ランディング」の検索トレンド(Googleトレンド;米国)

 

【ルール2】の「一方向への行き過ぎや過剰は、逆方向への行き過ぎや過剰を生む」に戻ると、まずは、景気や株式市場に「熱狂」という行き過ぎや過剰が生じ、その後に反対方向への行き過ぎや過剰である「景気後退」が生じる可能性があると思われます。

 

[図表7]S&P500の景気循環調整済み株価収益率
[図表7]S&P500の景気循環調整済み株価収益率

 

「ノー・ランディング、ノー景気後退シナリオ」でできること

仮に、次が「ノー・ランディング、ノー景気後退シナリオ」ならば、できることは「強気相場に乗りながらも半身の姿勢を取って警戒を怠らない」か、「上昇著しい市場で一部の利食いをし、割安にみえる/これまで見放されてきた市場に資金を分散させる」ことが一案でしょう。

 

<<レポート全文はコチラ>>

 

 

重見 吉徳

フィデリティ・インスティテュート

首席研究員/マクロストラテジスト

 

資産を「守る」「増やす」「次世代に引き継ぐ」
ために必要な「学び」をご提供 >>カメハメハ倶楽部

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

【ご注意】
※いかなる目的であれ、当資料の一部又は全部の無断での使用・複製は固くお断りいたします。•当資料は、情報提供を目的としたものであり、ファンドの推奨(有価証券の勧誘)を目的としたものではありません。
•当資料は、信頼できる情報をもとにフィデリティ投信が作成しておりますが、その正確性・完全性について当社が責任を負うものではありません。
•当資料に記載の情報は、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって予告なく変更することがあります。また、いずれも将来の傾向、数値、運用成果等を保証もしくは示唆するものではありません。
•当資料にかかわる一切の権利は引用部分を除き作成者に属し、いかなる目的であれ当資料の一部又は全部の無断での使用・複製は固くお断りいたします。

【参考文献】
・Ray Dalio (2018,2022) “Principles for Navigating Big Debt Crises”, Bridgewater Associates, Avid Reader Press / Simon & Schuster

・西野智彦 (2019) 『平成金融史-バブル崩壊からアベノミクスまで』中公新書、中央公論社

・リチャード・クー (2013) 『バランスシート不況下の世界経済』徳間書店

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録