元夫との子が未成年の場合、相続手続きは誰がする?
元夫が亡くなった時点で子が未成年であった場合には、相続の話し合いや相続の手続きは誰が行うことになるのでしょうか?
子の父である元夫が亡くなった場合、子の母が親権者なのであれば、原則として親権者である母が子を代理して相続の話し合いや相続の手続きを行うこととなります。つまり、離婚をした元妻自身は元夫の相続人ではないものの、2人のあいだに未成年の子がいる場合には、子の代理人として元妻が相続手続きに関わることとなるわけです。
ただし、未成年の子が複数いる場合は注意が必要です。たとえば未成年の子が2人いる場合には、そのうち1人については親権者である母が代理をし、もう1人の子については別途「特別代理人」を選任する必要があります。なぜなら、相続においては子1と子2の利益はぶつかり合うと考えられるためです。利益がぶつかり合う2人について、1人の親権者がまとめて代理をすることは原則として認められないのです。
特別代理人とは、相続の場面で一時的に代理を行う代理人です。特別代理人は家庭裁判所で選任してもらう必要がありますが、成人であり、かつその相続の相続人でないのであれば、特に資格の制限はありません。
そのため、子の祖父母や叔父叔母など、信頼できるほかの親族を候補者として挙げることが多いでしょう。
ただし、家庭裁判所によって候補者が適任ではないと判断された場合には、弁護士や司法書士などの専門家が選任される可能性があります。もちろん、はじめから弁護士や司法書士などの専門家を候補者としても構いません。
まとめ
いまや、離婚は決して珍しいことではありません。
しかし、離婚をしたあとの相続についてまで想定ができているケースは、さほど多くないのではないでしょうか? 特に、離婚をした相手とのあいだに子がいる場合には、相続の権利が誰にあるのか改めて確認しておくことをおすすめします。
堅田 勇気
Authense法律事務所
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ
■47都道府県「NHK受信料不払いランキング」東京・大阪・沖縄がワーストを爆走