(※写真はイメージです/PIXTA)

国税職員には“仏”と“鬼”ふたつの顔があると、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)の著者で、元国税専門官のマネーライター小林義崇氏はいいます。税務調査で納税者の「ある行動」をみつけると、普段は温厚な筆者も厳しく対応せざるを得なかったそうです。では、調査官が“鬼の顔”をみせるのはどんなときなのか、みていきましょう。

「相続税は最後の砦」の意味

私が税務職員になったとき、先輩職員から相続税は最後の砦といわれました。これは相続税調査を担う職員の間で、伝統的に引き継がれている言葉です。

 

人生には常に納税がつきまといますが、相続税が最後の機会になります。もしこの機会にとるべき税金をとらなければ、もはや税金を回収するチャンスは失われてしまいます。

 

このような背景があるからこそ、相続税調査をする国税職員は徹底的に過去のお金の流れを含めて調査するのです。

 

普段は温厚な筆者だが…税務調査での「嘘」は調査官を豹変させる

国税職員には2つの立場があります。1つは行政サービスを提供する立場、もう1つは“税金逃れ”の脱法者たちを取り締まる立場です。いわば、仏と鬼の顔を使い分けているのです。

 

私は、自分でいうのもなんですが、性格は温厚なほうで、税務署ではクレームを穏便におさめるような役回りをすることがありました。でも、税務調査の場面で嘘をつかれたり、脱税を発見したりすると、やはり厳しく対応せざるを得ません。

 

そういうときは、相手の言葉の矛盾を指摘し、真実を話してもらうまで粘り強く説得することになります。

 

法律にのっとって税金を減らす「節税」と、違法に税金を減らす「脱税」は、言葉は似ていますが、まったく意味が違います。

 

脱税と判断されて国税職員から厳しい追及を受けるのは、シンプルにいうと「嘘をついたとき」です。財産があると知りながら意図的に隠したり、税務調査のときに偽りの発言をしたりすれば、国税職員はけっして見逃しません。

 

脱税が発覚すれば、金銭的なダメージを受けるのは当然ですが、取引先や取引銀行などが調査をされることも多く、社会的信用も失いかねません。安易に脱税に走るのではなく、正しい知識を身につけて節税にとり組みましょう。

 

 

小林 義崇

マネーライター

Y-MARK合同会社代表/一般社団法人かぶきライフサポート理事

 

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元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者

元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者

小林 義崇

ダイヤモンド社

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