(写真はイメージです/PIXTA)

英国の5-7月の失業率は4.3%まで上昇し、若者を中心として就業率の悪化傾向にあるものの、依然として賃金上昇率は高くあります。本稿では、ニッセイ基礎研究所の高山武士氏が英国雇用関連統計(23年8月)について解説します。

2.結果の詳細:賃金上昇率は依然として高い

まず、8月のデータとして公表されている求人数および給与所得者数を確認すると、求人数は23年6-8月の平均で98.9万件となり22年3-5月平均(130.2万件)をピークに減少傾向が続き(図表3)、100万人を割り込んだ。

 

産業別には、飲食・居住、専門サービス、事務サービスといったサービス業の減少が目立った。単月求人数も8月に93.7万件となり、減少傾向にある4


給与所得者データでは、8月の給与所得者数(速報値)が前月差で▲0.1万人だった。7月分のデータが改定され前月差マイナスとなったため(+9.7万人→▲0.4万人)、2か月連続で減少したことになる(図表4)。8月の給与額(中央値)は前年同月比6.7%で7月(7.6%)から減速している。

 

[図表3]求人数の変化(要因分解) / [図表4]給与所得者データの推移

 

7月までのデータ(労働力調査)では、失業率が4.3%にやや上昇した。就業者の減少が続く一方で失業者と非労働力人口がともに増加した。労働参加率は5-7月期で63.5%まで低下し(コロナ禍直前ピークは64.4%、コロナ禍後のピークは63.7%)、今期は特に若年層の労働参加率の低下が目立つ(図表5)。

 

[図表5]英国の非労働人口の増減(コロナ禍前比) / [図表6]英国の労働争議件数と労働損失日数
 

労働時間は、31.6時間(前年同期差▲0.2時間)、フルタイム労働者で36.4時間(同±0.0時間)となった(前掲図表2)。週当たり総労働時間は、2-4月期に一時的にコロナ禍前ピーク(19年8-10月)を上回ったが就業者数の減少と労働時間の伸び悩みを受けて、コロナ禍前比▲1.5%まで低下した。

 

賃金は、名目賃金が23年5-7月期の前年同期比で8.5%、実質賃金は1.2%と上昇が継続した。NHS職員や公務員への一時金支払が上昇率を押し上げたが、ボーナスを除く定期賃金伸び率も前年同期比7.8%とデータ公表以来最も高い伸び率で横ばい推移している。実質の定期賃金上昇率は前年同期比0.6%だった。



処遇改善を求めたストライキは、7月は件数ベースで663件、労働損失日数で28.1万日と再び増加している(図表6)。件数・損失日数ともに公的部門を中心に活動が増加した。


43か月平均のデータは季節調整値だが、単月データは未季節調整値のため季節性が除去されていないため留意が必要。

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    ※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年9月13日に公開したレポートを転載したものです。

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