前回は、「医院を継ぐ子」以外への遺産配分方法について解説しました。今回は、「医院を継ぐ子」に代償分割の費用を渡す際の注意点を見ていきます。

「代償金の支払い」は後継者の子の負担となりやすい

テクニック11 代償分割のための原資を確保する

遺産分割の偏りをなくすために行われる代償分割は、相続税がかかる・かからないにかかわらず、どの相続にも必要になってきます。

 

代償金を払う側(ここでは後継者の子)には、非常に重い負担がかかります。そもそも出資持分などの売却できない資産を相続したために代償分割をするわけですから、その原資をどのように用意するかは大問題です。

 

被相続人は生前贈与で後継者の子に十分なキャッシュを渡しておいたり、生命保険に入っておいたりして確実に後継者にキャッシュが渡るようにしてあげなくてはいけません。

 

どうしても後継者にお金がない場合は、金融機関からの借入や、分割払いで支払っていくことになるでしょう。

代償金をもらう側は、支払う側の経済的負担に理解を

代償金をもらう側のほうには、一方的に要求するのではなく、支払う側の重い経済的負担を理解してあげてほしいと思います。そうでないと、換金できない財産を継いで納税に四苦八苦したうえ、経営の苦労まで背負って、さらに代償分割までしなければならず、後継者の子があまりにも不憫です。

 

ちなみに、遺産分割協議書のなかで「代償として」支払う旨を明記しておかないと、代償金の支払いが贈与と見なされ、贈与税を課税されることがあるので十分に注意が必要です。

本連載は、2016年5月27日刊行の書籍『相続破産を防ぐ医師一家の生前対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

相続破産を防ぐ 医師一家の生前対策

相続破産を防ぐ 医師一家の生前対策

井元 章二

幻冬舎メディアコンサルティング

医師一家の相続は、破産・病院消滅の危険と隣り合わせ 今すぐ準備を始めないと手遅れになる! 換金できない出資持分にかかる莫大な相続税 個人所有と医療法人所有が入り乱れる複雑な資産構成 医師の子と非医師の子への遺…

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