高額当選者が没落しがちな理由②:周囲から財産を狙われるから
今は宝くじに当選しても、まわりには言わないようにと金融機関などから助言されるそうですが、少なくとも家族には話す必要がありますし、ずっと隠し通すのは難しいでしょう。
当選したことがわかると、当然のごとく親族はおすそわけを要求してきますし、友人も悪気なくおこぼれをちょうだいしようとします。
普通に考えたら財産の搾取に他ならない行為でも、当選直後は気分が高揚しているためか大盤振る舞いしてあげる人も多く、そこからトラブルに発展するケースも少なくないようです。
とはいえ相手が親族や友人であれば、少なくとも感謝はしてもらえますし、自分が気を付ければ過剰に搾取されるような事態は防ぐことができます。
それよりも恐ろしいのは、高額当選者を狙った詐欺師、投資商品を販売したい金融機関、保険募集人、ファイナンシャルプランナーなどの玄人から狙われることです。
普段なら相手にしないようなおいしい投資話を持ちかけられても、当選金はもともと運よく転がり込んできたお金であるためか、思い切って投資してしまう人も多いようです。
おいしい話にはたいてい裏やリスクがあるわけですが、相手もプロなので、その辺りはうまく包み隠して誘惑してきます。
私は用心深いから大丈夫。と思っている人でも、昔から付き合いがある人や、金融機関のような大手が相手となると、つい信頼して財産を預けてしまうこともあるようです。
もちろん本当に良い投資話を持ちかけてもらえることもあるわけですが、もともと投資やビジネスに詳しい人でもない限り、成功確率が高い投資だけを吟味して、財産を守り続けることは至難の業でしょう。
「富裕層の老後破産」の背景にも、高額当選者と同じ“落とし穴”
ここまで高額当選者が没落しがちな2つの理由を見てきましたが、高額当選者ほど急激ではなくても、同じ2つの理由によって富裕層が老後破産に向かってしまう可能性は十分にあります。
一時期話題になった老後2,000万円問題ですが、これは総務省の家計調査(2017年)において、高齢者無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)の収入が月額約20万9,000円、支出が約26万4,000円で、月額約5万5,000円不足するため、30年間では約2,000万円(5万5,000円×12ヵ月×30年間=1,980万円)不足するというものでした。
この場合、仮に支出が月額50万円であれば、30年間で約1億円不足することになります。資産がたんまりある富裕層でも、生活水準がバリバリ稼いでいる頃と同じだと油断はできません。
また、まわりから財産を狙われるのも富裕層の宿命です。
最近会社の業績が急激にアップした顧問先の社長も、金融機関や保険屋さんからの営業が絶えないから断るのが大変と愚痴をこぼしていました。
富裕層はもともと投資やビジネスに長けた人が多いとはいえ、財産の管理をおろそかにしていると、どこかで落とし穴が待っているかもしれません。
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