「高額当選者の約7割が数年以内に破産する」は割と“俗説”だが
宝くじの高額当選者は悲惨な末路を迎えがちであることが知られています。
ネットで高額当選者の末路について書かれた記事を見てみると、宝くじ当選者の70%が数年以内に破産するというアメリカの統計がいたるところで引用されていました。
いくらなんでも70%は高すぎるのでは?と疑問に思い、その統計を発表したとされるアメリカの全米金融教育基金(NEFE)の英文サイトを見てみると、この統計はNEFEが開催したシンクタンクの議論の中で参加者の1人が述べたものに過ぎず、NEFEが検証したものではないとのこと。
それを複数の報道機関が引用して、全米どころか日本にまで広まってしまったようです。
その他にも高額当選者の破産率に関する公的な統計は見当たりませんでしたが、調べている過程で、悲惨な末路を迎えた高額当選者の事例がたくさんあることは確認できました。
当選金を使いこんでしまったり、詐欺にあったり投資に失敗したりで、破産に追い込まれてしまうケースは実際にたくさんあるようです。
一夜にして大金を手にする夢をつかんだ高額当選者が、悲惨な末路を迎えてしまうのはなぜなのでしょうか?
たくさんの事例を見てみると、その理由は大きく2つに分類できることがわかりました。
そこで今日は、高額当選者が“没落”しがちな2つの理由と、同じ轍を踏まないために、お金と人生を守る方法について解説していきたいと思います。
高額当選者が没落しがちな理由①:生活水準が上がるから
高額当選者は、一時的にお金があり余る“超”富裕層体験をします。
お金持ちほどケチなんて言い方をすることがありますが、たしかに富裕層は資産を守るために余計な出費を控える人が多いです。
しかし、宝くじの当選金は、それ自体が普通は手に入らなかったはずの余計なお金。
もともとあってないようなものだからと、欲しかったブランド品を買ってみたり、海外旅行に行ったり、高級車や夢のマイホームを購入してみたりと、ケチらず豪快にお金を使えます。
あり余るお金を欲望の赴くままに使える体験は、富裕層を超えた“超”富裕層体験といえるでしょう。
そんな夢のような体験をするために宝くじを買ったわけですから、それ自体は悪いことでも何でもないのですが、問題はこの間に生活水準が上がってしまうことです。
通帳残高を気にせずにおいしいものを食べて、着たい服を着て、良い車に乗り、良い家に住み…どんなに質素な生活を送っていた人でも、大なり小なり生活水準は上がってしまいます。
通帳残高が減ってきたからといって、なかなかすぐには元の生活には戻れないでしょう。
上がった生活費の支払で通帳残高は徐々に目減りしていきますが、見栄もあって残高が底をつくギリギリまで同じ生活を続けてしまう人も少なくないようです。
私はそんなことにはならないから大丈夫。と思われた方も多いと思いますが、本当にそうでしょうか?
破産した高額当選者だって、大半は同じことを思っていたことでしょう。
食べ物を前にして食欲を抑えることが難しいのと同じで、大金を前にして消費欲を抑え続けることも相当難しいはずです。
そして、一度変わった生活水準を元に戻すことも、一度変わった食生活を元に戻すぐらい、簡単そうでとても難しいことです。
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