優秀な人の定着率を上げる従業員エンゲージメント
社内制度や組織文化の構築、業務の仕組み化ができていない会社の離職率が高い理由がおわかりいただけたでしょうか? ここからは、優秀な人の定着率を高めるために重要な「エンゲージメント」についてご説明しています。
「従業員エンゲージメント」にはさまざまな定義付けがされています。たとえば、
1.従業員エンゲージメントとは、従業員が職場に対して感じる精神的・感情的なつながりの強さである。
2.エンゲージメントの高い従業員とは、自分の仕事や職場に関与し、熱心に取り組み、コミットしている従業員である。
3.エンゲージメントとは、会社の成功に貢献しようとする従業員の意欲と能力のことである。
4.従業員のエンゲージメントとは、従業員の組織に対する心理的な投資のレベル”である。
などです。これらを一言で言うなら、「会社と社員の一体感」ということになります。
一体感のある会社は活気に満ちた組織になります。従業員エンゲージメントの高い企業は、エンゲージメントの低い同業他社よりも収益性が21%高いとも言われていますし、欠勤率の減少や離職率低下にもつながることは言うまでもありません。
従業員エンゲージメントを高めることによって、優秀な人の離職を防ぎ、定着率が上がると同時に、業績も伸びていくというわけです。
従業員エンゲージメントを高める指標
従業員エンゲージメントを高める指標には、以下のようなものが挙げられます。
・キャリアの成長
・協力関係
・コミュニケーション
・リーダーへの信頼
・公平な評価と給与
・商品の品質
・承認
・リソースへのアクセス
・仕事の有意性
・方向性への合意
・上司からのサポート
・教育と訓練
このなかで「商品の品質」は「従業員エンゲージメント」と直接的な関係がないと思われがちですが、「自分が本当にいいと思っている商品を扱うことができているか」ということなのです。社員自身が「これは業界で1番いい」と本気で思っている商品、本当にお客さまの役に立つ商品を扱っているという誇りによって、エンゲージメントは高まるのです。
従業員エンゲージメントを高める仕組み
では、従業員エンゲージメントを高めるにはどういう仕組みが必要なのかをご説明します。
1.カルチャーフィット採用の仕組み
従業員エンゲージメントの要素として、先ほど「方向性への合意」を挙げましたが、採用の段階で会社が目指す方向性と一致しているのかを確認しなくてはいけません。
2.オンボーディングの仕組み
採用後のウエルカムの儀式であるオンボーディングの仕組みが整っていることが、「コミュニケーション」や「上司からのサポート」に反映されます。
3.社内コミュニケーションの仕組み
従業員エンゲージメントとコミュニケーションは切っても切れないものです。経営陣と一般社員、上司部下、部門間の関係を良好にするうえでも非常に大切です。
4.明確で説得力のあるビジョン
会社と社員の方向性が合意しているのか、その大切な基準となります。
5.社員の強みと弱みを把握した役割と責任
要するに「適材適所」ということです。社員がやりたい仕事、能力を発揮できる仕事に就いているかどうかを確認していく仕組みのことになります。
6.意義のある仕事
仕事に意味のなさを感じてしまうと、エンゲージメントは非常に下がると言われています。
7.挑戦的かつ現実的な目標の設定
頑張れば達成可能だと思える目標があれば、社員は前向きに取り組めるようになります。
8.キャリアの成長と進歩を育む仕組み
社員が望むキャリアを把握し、それを実現させるための組織や育成の仕組みをつくります。
9.業績を評価し、報奨する仕組み
仕事がきちんと評価される仕組みも、従業員エンゲージメントに大きく影響します。
10.従業員からのフィードバックの仕組み
会社の重要な意思決定に関与できることも従業員エンゲージメントを高めます。社員が意見を言える仕組みがあるということが大切です。
早期離職を防ぎ、一体感のある組織に育てる
「なぜ優秀な人ほど突然辞めるのか?」という疑問を紐解くことで、会社が持つ制度や仕組みのさまざまな問題点が見えてきます。
5つの退職理由にあてはまる問題点がないかを振り返り、社員の定着率はもちろん、業績も上がる仕組みを整えていきましょう。
清水 直樹
仕組み経営株式会社
代表取締役
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