中国「バブル崩壊」までのカウントダウン…延命のため国民に「住み替え」推奨か【現地駐在員が解説】

中国「バブル崩壊」までのカウントダウン…延命のため国民に「住み替え」推奨か【現地駐在員が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産市場の不振が続き、いよいよ「バブル崩壊」に対する懸念が高まっている中国。そのようななか、中国当局は“延命措置”として、国民に「住み替え」を促進する方針を表明しました。しかし、東洋証券上海駐在員事務所の孫佳賢氏は、そもそも中国で家を購入するための高いハードルを指摘します。はたしてその内容とは……現地駐在員の孫氏が解説します。

中国で「2軒目」を購入する方法…“思いがけない事態”も

2軒目購入の一般的な方法は、現住居を売却し、貯金や借金などを駆使して頭金を工面すること。ただ、まれに思いがけない事態に陥ることもある。

 

知人は現住居を売却して新居の契約を結んだものの、売主が突然契約破棄を申し出てきた。価格がまだ上がると踏んで、売り時を先延ばししたかったよう。なんとも勝手な判断だが、可哀そうなのはその知人だ。自宅を失い、結局、賃貸物件に住む羽目になった。

 

他にもさまざまな手があるが、一番有名(悪名高い?)なのは「偽装離婚」だろう。

 

夫婦の場合、不動産購入は「1人1軒」ではなく「1組1軒」が基本。「夫婦で2軒目」を買う際は頭金比率やローン金利が高くなる。

 

それを避けるべく、まずは離婚し、ローン申請記録がないどちらかの名義で物件購入という裏ワザがある。

 

低金利での2件目購入成功後は、もちろん再婚というオチだ。もっとも最近は、離婚後の一定期間は購入不可などの一部規制もあるのだが。

 

ここ数年の不動産市場の低迷の背景には、住み替え困難で需要が一部抑えられたこともあると思う。

 

今般の政府方針の狙いはもちろん需要喚起。具体的政策は不明だが、筆者に一番有利なのはもちろん冒頭の「認房不認貸」である。

 

これが実現できなくても、せめて2軒目購入時の頭金比率は下がってほしい。

 

 

孫 佳賢

東洋証券株式会社

上海駐在員事務所

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