(画像はイメージです/PIXTA)

ここ20年ほどで注目を集める供養の方法に「手元供養」というものがあります。居住地の関係や遺族への思いから手元供養を選択する人も増えていますが、気をつけねばならない点があるのも事実です。本記事では、昨今話題の種々さまざまな「手元供養」について解説します。

「手元供養」が注目されるワケ

「実家のお墓が遠くて、なかなかお墓参りができない」という方は意外と大勢いらっしゃいます。地方から大都市圏に出て働く若い人が増えているだけに、この悩みを持つ方は、これからもさらに増えると思われます。

 

そのせいもあってか、2000年以降注目されているのが「手元供養」という考え方です。

 

これまで遺骨はお墓に納骨するのが当然と考えられてきました。しかし、仏教の考え方からすると、納骨しないからといって、成仏できないということにはなりません。

 

もっとも、遺骨の埋葬については「墓地、埋葬等に関する法律」により、都道府県に認可された正式な墓地以外の場所は認められないことになっています。そのため、多くの人は遺骨をお墓に入れるわけですが、実は、埋葬はお墓以外認められていないものの、そのまま周辺に撒いたり川に流したりといったことをしなければ、自分の好きな場所に保管すること自体は、法律違反ではありません。つまり、遺骨を自宅に置いて保管することも認められているのです。

 

また、「お墓が遠すぎてお墓参りができない」という物理的理由以外にも、最近では「故人を身近に感じていたい」「お墓に遺骨を入れたら故人が寂しがるのでは」といった思いから、遺骨を手元に置いておく「手元供養」が注目されるようになってきたという事情もあります。

 

しかし、遺骨を手元に置いておくにしても、火葬場で収骨する際に用いられる骨壺は、結構大きなサイズです。そのまま部屋に置くとスペースを取ることから、遺骨をパウダー状にして、遺骨の体積を小さくし、より小さい骨壺へと遺骨を納めることができます

 

遺骨をパウダー状にするには、火葬場や散骨業者に事情を話し依頼するのが無難でしょう。なかには、ご自分の手でおこなうという方もいますが、かなり労力が必要な作業です。

手元供養にまつわる問題…「遺骨をどこに置く?」

手元供養をするにしても、すべての遺骨をパウダー状にして骨壺に納めるのではなく、たとえば遺骨の一部だけを骨壺に納め、残りは散骨するという方法もあります。ただし、散骨する際場合は法的観点から、遺骨を2ミリメートル以下にする必要があります。

 

散骨は必ずしも業者に依頼する必要はなく、人に迷惑をかけるものでない限りは、自分で散骨することもできます。

 

ただし、パウダー状とはいえ人骨を撒くという行為ですから、他人から見たらギョッとされてしまうかもしれません。したがって観光地のように大勢の人が往来している場所や、他人の住居の近く、水源地、河川や湖、海水浴場などでの散骨は避けた方が無難です。また自治体によっては、散骨そのものを禁止にしているところもありますから、事前にしっかり調べておくようにしましょう。

 

散骨に抵抗がある人は、やはり、多少遠くてもお墓に納める一般的な方法が無難でしょう。

 

また、永代供養墓に納骨する方法も選択肢です。この場合、霊園や寺院が遺骨の管理をしてくれるので、子孫がお墓を継承して守り続ける必要がありません。昨今のように、お子さんがいない家庭、あるいは独身の方は、永代供養墓に納骨する方法を検討してみてはいかがでしょうか。

 

もうひとつ、永代供養の一種として注目されている方法に、シンボルツリーの下に遺骨を埋葬する樹木葬もあります。

人工ダイヤモンドのジュエリーとして、大切な人をいつも身近に

一方で、それなりの費用は掛かりますが、一部の富裕層に人気なのが遺骨をダイヤモンドにする方法です。遺骨に含まれる炭素を取り出し、人工的に高温高圧をかけることにより、人工的に製造される合成ダイヤモンドをつくることができるのです。

 

専門業者によると、通常400グラム以上の遺骨があればダイヤモンドの制作は可能です。体重が60キログラムの男性が火葬されると、だいたい1.5キログラムから2キログラムの遺骨が残されます。また、人工ダイヤモンドは黄色がかった色味になるのですが、遺骨を用いた人工ダイヤモンドの場合、人それぞれ微妙に成分が異なることから、無色透明や青色など、さまざまなバリエーションがあるといいます。もちろんカットダイヤモンドでも、原石でもどちらでも対応可能です。

 

なお、ダイヤモンドにする金額ですが、カットダイヤモンドの場合、0.2カラットで約60万円。1カラットになると300万円超になります。かなり高価ですが、ジュエリーとして肌身離さず持つことができることから、密かな人気を集めています。

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