(画像はイメージです/PIXTA)

墓地といえば、静謐で厳かなお寺、そして整然と並ぶ縦長の墓石…。多くの方は、そんな光景を思い浮かべるのではないでしょうか。しかし近年、お墓のデザインやスタイルは変化を遂げています。家族のため、自分のため「眠りについたあと」も豊かに彩る、そんな墓地の最新事情を解説します。

アートのような形状から、居室の再現まで…墓石の形状は変化している!

皆さんは「墓地」というと、どのような光景を思い浮かべますか? 真夏日、草いきれとセミの鳴き声、そしてお線香の香り。広いお寺の境内に整然と並ぶ、縦長の墓石の数々。そんなイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。墓地でよく見かける、縦長タイプのお墓は「和式石碑」というもので縦長タイプのお墓は「和式石碑」というもので、宗旨宗派に関係なく、お墓の8割はこれであるといわれています。

 

しかし、近年のお墓には、故人の思いを反映した独創的なものが増えてきました。故人の趣味だったと思われる楽器や乗り物を模した墓石や、現代アートのような抽象的な形状の墓石。特殊なものでは、故人の自宅リビングを再現した墓地もあり、そこにはテレビ、テーブル、ソファなどが石で再現され、お墓参りに訪れた家族が腰かけて談笑できるという凝った作りとなっています。

 

お墓は、大きくなればなるほど大量の石を使用し、かつ土地の面積も広くなることから、お墓のサイズよって故人の経済事情の見当がつきそうですが、地方は土地代が安く、また、墓石の価格にもかなり幅があることから、相当立派なお墓を建てても、東京都心部の墓地に比べればさほどでもない、というケースもあります。

最近の墓地のトレンドは、和式石碑から「洋型」へ

さて、冒頭で墓地のイメージについて触れましたが、時代の流れによって墓地・墓石にはある種のトレンドがあります。

 

圧倒的に多いのはお寺の墓地に和式石碑が立っているスタイルです。

 

ただ、最近は和式石碑よりも「洋型」を選ぶ人も増えてきました。洋型とは、地面に台座があり、そこに板状の石を乗せたタイプのお墓です。横浜の外国人墓地などに行くと、この手のお墓が多く見られます。墓石の高さが和式石碑に比べて低いため、景観を遮らず、遠くまでよく見渡せるというメリットがあります。

 

とはいえ、お寺ではまだまだ和式石碑がメインです。とくに歴史のあるお寺になると、すでに和式石碑がビッシリと並んでいますので、そこにいきなり洋型を置けば違和感はぬぐえません。

 

しかし、高齢化の進展による墓地需要の高まりから、墓地を拡張・造成するお寺もあり、そういったところでは、新しく造成する区画を洋型の墓石にするケースもあります。洋型の墓石を置くことで、明るく視界が開け、従来の墓地とはまったく違う印象になります。

 

また、お寺ではなく霊園の場合、最初から洋型に限定しているところも少なくありません

 

海外の墓地で比較的多いのは、地面にプレート状の墓石を埋め込んだ「プレート型」のお墓です。外国映画で故人を偲ぶシーンなどに出てくるので、なんとなく見覚えのある人もいると思います。草花や木が植えられ、一見すると公園のような景観になっていますが、これも日本ではほとんど見かけません。

 

ちなみに、低コストなお墓という点で最近注目されているのが「壁面墓地」です。文字通り、壁にそって板状の墓石がずらりと並ぶもので、通常の和式石碑に比べると、低価格でつくることができます。

豊かな花々とともに眠るという選択、かかる費用は…

とても明るい印象を受ける「ガーデニング墓地」と呼ばれているものもあります。

 

ガーデニング墓地とは、霊園全体にたくさんの花を植え、ガーデニングされた庭のような雰囲気に仕上げた墓地のことで、一見すると、まさかここが墓地だとは思えないくらい、美しく植物が植えられています。

 

また、ガーデニング墓地と似た墓地に「樹木葬墓地」というものもあります。樹木葬墓地とは、墓石の代わりにシンボルツリーを墓標として植え、その根本に遺骨を埋葬するスタイルのお墓のことです。

 

両者の違いは、墓石があるかどうかという点です。樹木葬墓地の場合は墓石がないことが多いのですが、ガーデニング墓地は、お墓の周囲を豊富な植物や花で囲うだけでなく墓石も存在します。したがって、お墓を建てるコストという点においては、樹木葬墓地よりもガーデニング墓地の方が高額になる傾向があります

 

また、樹木葬墓地の場合、1本のシンボルツリーに対して1人の埋葬者というケースと、複数の埋葬者というケースがあるなど、墓地によっていろいろなパターンがあります。

 

ガーデニング墓地の場合、従来の日本の墓地とは異なる華やかで明るい雰囲気があり、墓地側で花の管理をしてもらえるといったメリットがある一方、管理費が割高になるケースも考えられます。もしお墓を選ぶ場合は、その点を考慮したうえでしっかり検討するようにしましょう。

 

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