パパ活女子「お手当、現金だからバレない♪」はずが…税務調査→唖然の追徴課税額に「なにかの間違いでは」【税理士が解説】

パパ活女子「お手当、現金だからバレない♪」はずが…税務調査→唖然の追徴課税額に「なにかの間違いでは」【税理士が解説】
(画像はイメージです/PIXTA)

主に若い女性が、裕福な男性とお茶や食事をともにしてお小遣いをもらう「パパ活」。しかし、得た収入は確定申告しないと法律違反となるため、注意が必要です。ここでは、パパ活で収入を得ている女性の例から、税務調査で発覚する理由と、追徴課税のリスクについてみていきます。FP資格も持つ公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。

「お手当は手渡し」でも…税務署にバレるワケ

生徒:実は私、「パパ活」をやっています。会社のお給料だけでは生活費が足りなくて…。でも、意外とたくさん稼げるんですよ。この間もブランドのバッグとおサイフ、買っちゃいました!

 

先生:それ、確定申告していますか? していないなら法律違反ですよ! パパ活自体は違法ではありませんが、パパ活で受け取った収入は、確定申告しなければいけません。

 

生徒:でも、手渡しでお手当てを受け取っているし、税務署にバレるわけありませんよね?

 

先生:いいえ。見つかる可能性は十分にあります。たとえば、パパ活アプリや出会いカフェなどに税務調査が入ったら、そこの登録者や利用者の情報が税務署に取られることになります。税務署は銀行口座を見ることができますので、もし収入が低いはずの女性が高額な不動産や有価証券を購入していたら、不審に思われて調査されることもありえます。

 

生徒:そんなふうに情報が漏れるんですか…!

 

先生:もっとも、いちばん可能性が高いのは、トラブルになった「パパ」が、税務署にタレこむことでしょうね。

 

生徒:キャー! 

プレゼントされたバーキンのバッグも課税対象に!?

生徒:もし税務署にバレたらどうなるのでしょう…?

 

先生:まず、税務調査が入ります。預金通帳のお金の流れを調べられたり、タンス預金やブランド品の有無をチェックされたり、アプリのトーク履歴の確認を求められたりするでしょう。そうやって正確に所得を計算された結果、本来納税すべきであった所得税5年から7年分に加え、罰則となる税金が加算され、びっくりするほど多額の税金を取られることになりますよ!

 

生徒:では、いったいいくら稼いだら確定申告しなければならないのでしょう?

 

先生:お給与をもらっている会社員やパートタイマーなら、パパ活で得た利益が年間20万円を超えると、「雑所得」として確定申告が必要になります。ただ、20万円というのは収入ではなく、経費を差し引いた残りの利益です。

 

生徒:なーんだ、経費を差し引けるなら大丈夫ですね! お洋服やアクセサリー、バッグや化粧品代も経費になりますものね?

 

先生:いいえ、だめです。それらは経費には入りません。パパ活で経費に入るとすれば、アプリの利用料、お茶代、交通費くらいだと思います。

 

生徒:では、プレゼントはどうですか? この間も、パパから100万円のエルメスのバーキンをもらったのですが、これなら贈与税の基礎控除の範囲内だから税金はかかりませんよね?

 

先生:いいえ。それも所得として計算しなければいけません。

 

生徒:ええっ、そうなんですか!? 愛のこもったプレゼントだと思っていたのに…。

収入を隠し脱税したとみなされれば、重加算税40%が課される

生徒:私は年収約300万円の会社員ですが、パパ活のお手当は毎月10万円程度、年間120万円ぐらい受け取っています。この場合、税金はどれくらいかかるのでしょうか。

 

先生:仮に、パパ活の経費が年間20万円だと仮定すると、雑所得が100万円ですから、これに対して所得税が課税されます。お給料が年収300万円程度なら、税率は5%くらいでしょう。つまり、増えた所得100万円に対して税率5%をかけた5万円の所得税の支払いが必要になりますね。それに加えて、住民税10%です。増えた所得100万円に対して税率10%をかけた10万円の住民税の支払いも必要になります。合計15万円ですね。

 

(1)増える所得税…100万円 × 5% = 5万円

 

(2)増える住民税…100万円 × 10% = 10万円

 

生徒:なーんだ、15万円ですか。それぐらいなら支払えます!

 

先生:しかし、確定申告していなければ、罰則が課されます。申告をしていなかったことによる無申告加算税や、納税が遅れたことによる延滞税などがあります。税務調査で見つかった場合の無申告加算税は、増えた所得税の15%です。今回のケースでいえば、5万円の15%である7,500円ですね。しかし、故意に収入を隠して脱税したとみなされれば、無申告加算税に代わって重加算税40%が課されることになりますよ。その場合は、5万円の40%である2万円ですね。

 

(3)無申告加算税…5万円 × 15% = 7,500円

 

(4)重加算税…5万円 × 40% = 2万円

 

生徒:ちょっと待って! 罰則ってそんなに重いんですか? なにかの間違いでは…。

 

先生:いいえ、間違いではないですし、それだけではありません。加えて、延滞税が課されます。こちらは納付が遅れた年数に応じて年間3%くらいの利息です。今回のケースで1年間遅れたとすれば、増えた所得税5万円の3%で年間1,500円程度です。しかし、重加算税を課されて5年間が遅れたとすればその5年分で7,500円になりますよ。

 

(5)延滞税…5万円 × 3%弱 × 納付が遅れた年数(脱税でない場合は1年)

 

生徒:…わかりました。いまから昨年のパパ活の収入の確定申告をして、今年も確定申告するようにします。

 

先生:そうしてください。確定申告は大変なので、つい放置してしまいがちですが、税理士さんにお願いすればいいですよ。

 

 

岸田 康雄
国際公認投資アナリスト/一級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認会計士/税理士/中小企業診断士

 

★パパ活女子の確定申告についてはこちらをチェック!

【パパ活女子の税金】手渡しでもらったお手当に落とせる経費と確定申告しなかったときの追徴課税

 

★所得税の基本・計算方法はこちらをチェック

【所得税】所得税の基本!納税義務者・非課税所得から各種所得金額の計算手順まで

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