訪問営業やテレアポが苦手な「悩める営業スタッフ」…“最後の一手”を使ったら、まさかの「4年連続トップ営業」に

訪問営業やテレアポが苦手な「悩める営業スタッフ」…“最後の一手”を使ったら、まさかの「4年連続トップ営業」に
(写真はイメージです/PIXTA)

クビ寸前のダメ営業スタッフから一躍、顧客の90%以上から契約を得るトップ営業スタッフへ。現在は営業コンサルタントとして活動する菊原智明氏は、営業で結果を出すためには基本やコツがあり、「できるかできないか」ではなく「知っているか知っていないか」の差でしかないといいます。菊原智明氏の著書『営業スキル100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、筆者をトップ営業に変えた最強の営業ツールを紹介します。

会わずにお客様との距離感を縮める「最強の営業ツール」

本稿では、ダメ営業スタッフの私をトップ営業スタッフに変えてくれた“営業レター”についてお話していきます。

 

私は20年ほど前から対面での営業をやめ、遠隔で営業活動を始めていました。今でいうリモート営業です。当時は「楽をして遠隔で営業をしよう」と思っていたわけではなく、訪問営業やテレアポが苦手だった私の最後の一手だったのです。

 

その時に使っていたツールを“営業レター”と呼んでいます。

 

営業レターは最強のツールであり、最強の武器だと思っております。私はこの営業レターのお陰で、4年連続トップ営業スタッフになりました。もし営業レターが無ければ、今でも売れない営業スタッフのままだったと思います。

 

営業レターと聞くと「アナログツールなのかな」と思うかもしれませんが、必ずしも手紙やハガキで送る必要はありません。メールやSNSなどのデジタルツールでもいいのです。

 

営業レターの最大のポイントは“人間的な魅力を伝える”ということです。例えば、

 

●こんな趣味があります

●出身はここでこんな学生でした

●好きな食べ物はこれです

 

といったものでもいいでしょう。こうした基本情報を伝えた上で“私は信頼に値する人間です”ということを伝えるということです。

 

●お客様のお役に立てるよう努力をしています

●お客様にこんなメリットを提供できます

●購入後こそ本当の付き合いだと考えています

 

などなど、短文でお客様に対する気持ちを伝えるのです。

 

実際は値段だけで決めるお客様は少なく、多くのお客様は信頼できる人から買いたいと思っています。こうした一文を見て「この人なら信頼できそうだ」といった印象を持つのです。

 

多くの営業スタッフは“自分の考え方や気持ち”をほとんど伝えていません。これではその他大勢の営業スタッフに紛れてしまいます。そうならないためにあなたの気持ちを短い一文で伝えてください。

 

たったひとつのメッセージでお客様と信頼関係を築けることもあるのです。

 

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<ワンポイントアドバイス>

今日さっそく自分を伝えるメッセージをメールで送ってみる

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お客様に「お役立ち情報」を送ると一石二鳥

営業レターでお客様にあなたの考えや気持ちを伝え、「この人ならば信頼できそうだ」という印象を与えます。

 

これと同時にして欲しいことがあります。

 

それはお客様に“お役立ち情報”を提供するということです。

 

お役立ち情報とは、文字通り受け取ったお客様が「これは役立つ内容だ」と感じてもらうものです。

 

多くの営業スタッフは「当社のメリットを伝えなくては」と商品の詳細情報を送ったりします。そんな内容でも役立つお客様もいるかもしれませんが、ほとんどは「これは売り込みじゃないか」と嫌悪感を抱くのです。

 

これでは逆効果になってしまいます。

 

私はお客様に対して“すでに住んでいるお客様の失敗例、後悔している例”をお役立ち情報として送っていました。こういった情報を見ても、お客様は売り込みだとは思いません。役立つ情報として感謝してくれるのです。

 

扱っている商品によっては「守秘義務もあるし、失敗例や後悔例を出すことはできない」といったケースもあるでしょう。その場合はお客様の満足例でもいいですし、なんなら商品と直接関係なくてもいいのです。

 

●補助金を多く受けとる方法

●掃除や料理の裏技

●机まわりの整理法

●パソコン仕事の時短術

 

などなど、お客様が役立ちさえすればいいのです。

 

こういった情報を送ってくれる営業スタッフは他にはいません。唯一無二の存在になれるのです。

 

仮にこれで結果が出なかったとしても、送る価値はあります。お客様にお役立ち情報を送ることで「今、いいことをした」と自分にインプットできるからです。

 

これだけで営業活動へのモチベーションが上がるのです。

 

さらにはこれが積み重なり“セルフイメージ”が上がってきます。

 

私自身、お役立ち情報を送り続けているうちに「こんないいことをしているのだから売れないほうがおかしい」と思うようになりました。知らず知らずのうちにセルフイメージが上がっていったのです。

 

お役立ち情報を送ることは結果も出て、セルフイメージも上がるといった一石二鳥の方法です。

 

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<ワンポイントアドバイス>

役立つ情報をお客様に送ってみる

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菊原 智明

営業サポート・コンサルティング株式会社 代表取締役

営業コンサルタント、関東学園大学経済学部講師、一般社団法人営業人材教育協会理事

 

群馬県生まれ。大学卒業後トヨタホームに入社し、営業の世界へ。「口ベタ」、「あがり症」に悩み、7年もの間クビ寸前の苦しい営業スタッフ時代を過ごす。「対人恐怖症」にまで陥るも、“訪問しない” “お客様に望まれる”営業スタイルを確立。突如、顧客の90%以上から契約を得て、4年連続トップの営業スタッフに。約600名の営業スタッフの中においてMVPを獲得。2006年に独立。営業サポート・コンサルティング株式会社を設立。現在、経営者や営業スタッフ向けのセミナー、研修、コンサルティング業務を行っている。

 

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※本連載は、菊原智明氏の著書『営業スキル100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

営業スキル100の法則

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菊原 智明

日本能率協会マネジメントセンター

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