「売れている店員」「結果を出している営業スタッフ」が何気なく添えている、お客様が一撃で納得する“ひと言”【成約率90%超・元トップ営業マンが解説】

「売れている店員」「結果を出している営業スタッフ」が何気なく添えている、お客様が一撃で納得する“ひと言”【成約率90%超・元トップ営業マンが解説】
(写真はイメージです/PIXTA)

クビ寸前のダメ営業スタッフから一躍、顧客の90%以上から契約を得るトップ営業スタッフへ。現在は営業コンサルタントとして活動する菊原智明氏は、営業で結果を出すためには基本やコツがあり、「できるかできないか」ではなく「知っているか知っていないか」の差でしかないといいます。トップ営業とダメ営業との差はズバリ、これ。本記事では菊原氏の著書『営業スキル100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、結果を出すための「トーク」を紹介します。

「説得力あるトーク」と「盛っているな…と感じるトーク」の差

お客様の立場として話を聞いた時「この人の話は信ぴょう性があるし、納得できる」と感じることがあります。そうかと思うと「トーク自体は上手いと思うが、なんか怪しい…」と感じることもあります。

 

内容的には同じような話をしているのに印象はまったく違ったりします。これは何がそうさせているのでしょうか?

 

その違いはそのトークの中に“事例と証拠があるかどうか”なのです。

 

多くの営業スタッフは事例と証拠がほとんどありません。

 

「当社の製品は耐久性に優れています」

「新商品はコスパがいいです」

「この機能が追加されてすごいんです」

 

といった話ばかりではなかなか内容が入ってきません。熱弁されればされるほど「これは盛っているな」と感じてしまうのです。

 

ゴルフ仲間の化粧品のセールスの女性は迷っているお客様に対して「これをお使いのお客様の多くが10歳以上も若く見えるようになった」と言って、スマホでビフォーアフターの写真を見せます。もちろんお客様に許可を取ってのことですが…。

 

ただ単に「肌がきれいになります」と伝えるより、実際の写真を見た方が信ぴょう性は一気に高まります。これで多くのお客様が購入に踏み切るというのです。

 

また営業支援ソフトの法人営業をしている知人は「私が担当しているクライアントは、残業が25%減少した上に業績は前年比130%の状況となっております」と成功例を伝えます。その後、お見せできる範囲でデータを示します。これで多くの会社が話に乗ってくると言います。

 

信ぴょう性のある人の話には「この商品を購入したお客様の例ですが」といった話や「対前年比145%という結果が出まして」といったデータを伝えています。事例や証拠がセットになっていると「この話は本当だな」と感じるのです。

 

今お使いのトークに“事例と証拠”を付け加えてみてください。それだけで信ぴょう性が深まり伝わるトークになります。

 

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<ワンポイントアドバイス>

紹介できる事例をいくつか用意しておく

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一撃でお客様を納得させてしまうひと言「私も愛用しています」

先ほどの項目で“トークには事例と証拠をプラスするといい”といった話をしました。

 

このような話をすると「守秘義務があるので事例は出せない」という営業スタッフもいらっしゃいます。扱っている商品によっては難しいこともあるのです。

 

そんな営業スタッフの方に、いいワザをお伝えします。使い方によってはこちらの方が強力です。

 

そのワザとは「自分も使っている」といった話をするということです。

 

私が知る限り、これ以上、信ぴょう性が高まるトークはないと思っています。

 

身に着けると血行が良くなる健康器具を検討していた時のことです。思っていたよりも高く、迷っていました。そんな時にお店の方が「私もずっと愛用していましてね。体の調子がいいんです」と言ってきました。

 

体感的なことで裏付けるデータはありません。にもかかわらず、私も愛用しているという言葉に説得され、気持ちよく購入を決めたのです。

 

ハウスメーカーの営業スタッフ時代のことです。30代の若い夫婦と話を進めていました。その御主人がかなり細かい性格で、何を説明しても「それは納得できませんね」と否定してきます。手を焼いていたのです。

 

そんな時、何気なく「私も当社の建物に住んでいますが、すごくいいですよ」と話しました。その一言で納得したのか、その後はスムーズに話を進めることができたのです。

 

「自分も使っていて、とてもいい」といった話のほかにも、「家族や親戚にも使ってもらっています」といった話も効果的です。この場合も「家族が使っているならば間違いないな」といったイメージを与えられます。

 

売れている店員、結果を出している営業スタッフは“自分もしくは家族、親戚”の話をうまく交えて説明しているのです。数字やデータも効果的ですが、このトークには勝てません。何か考えて今のトークに取り入れてみてください。

 

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<ワンポイントアドバイス>

まずは自分が利用して好きになる

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菊原 智明

営業サポート・コンサルティング株式会社 代表取締役

営業コンサルタント、関東学園大学経済学部講師、一般社団法人営業人材教育協会理事

 

群馬県生まれ。大学卒業後トヨタホームに入社し、営業の世界へ。「口ベタ」、「あがり症」に悩み、7年もの間クビ寸前の苦しい営業スタッフ時代を過ごす。「対人恐怖症」にまで陥るも、“訪問しない” “お客様に望まれる”営業スタイルを確立。突如、顧客の90%以上から契約を得て、4年連続トップの営業スタッフに。約600名の営業スタッフの中においてMVPを獲得。2006年に独立。営業サポート・コンサルティング株式会社を設立。現在、経営者や営業スタッフ向けのセミナー、研修、コンサルティング業務を行っている。

 

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※本連載は、菊原智明氏の著書『営業スキル100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

営業スキル100の法則

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菊原 智明

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