クロージング失敗で「もう一度チャンスをください!」は逆効果 成約率90%超・元トップ営業マンが教える〈敗者復活〉のひと言

クロージング失敗で「もう一度チャンスをください!」は逆効果 成約率90%超・元トップ営業マンが教える〈敗者復活〉のひと言
(写真はイメージです/PIXTA)

クビ寸前のダメ営業スタッフから一躍、顧客の90%以上から契約を得るトップ営業スタッフへ。現在は営業コンサルタントとして活動する菊原智明氏は、営業で結果を出すためには基本やコツがあり、「できるかできないか」ではなく「知っているか知っていないか」の差でしかないといいます。菊原智明氏の著書『営業スキル100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、「商談に敗戦した時の復活のワザ」を紹介します。

お客様に断られたら、「こんな時はご相談ください」と伝える

知人の女性営業スタッフが「半年間商談していたクライアントに断られて落ち込みましてね、3日間食事もろくにのどを通りませんでしたよ」と話してくれました。「おかげでダイエットになって良かったですが」と付け加えていましたが…。

 

時間をかけて何回も商談していたお客様にクロージングをして断られるというのは悔しいものです。営業としてあまり経験したくありません。

 

さらにキツイのは、その断りを上司が受け入れてくれないことです。営業スタッフ時代は、クロージングの失敗を上司に報告すると「一度くらい断られたのがなんだ、もう一度お願いしてこい!」と活を入れられたものです。

 

そしてしぶしぶお客様のところへ行き、「もう一度チャンスをください!」と粘ったこともありました。しかし、やればやるほど逆効果になります。「もう決めたことですから」と断った理由をより強固にしただけだったのです。

 

これは私が買う立場になってから実感したのですが、断るにもかなりの労力を使います。

 

以前、相見積を取った会社に「いろいろとお手間をかけましたが他で決めました」と断りの電話を入れたことがありました。その後、その営業スタッフに粘られます。断られた後にしつこくされるほど嫌なものはないのです。

 

こういった場合どうすればいいのでしょうか?

 

こんな時こそアナログツールの手紙が威力を発揮します。断った後にあれこれ言われるのは嫌ですが、手紙なら比較的抵抗なく読むことができます。もちろんメールで送っても構いません。

 

お客様の心理というは決めた直後、すっきりした半面「やっぱりA社じゃなくてB社の方が良かったのでは…」という気持ちがどこかに残っています。

 

そんな時に、こんな文章が届いたらどうでしょう?

 

『契約後は〇〇についてお困りになる事もあるかもしれません、その時はぜひ私にご相談ください』

 

契約を取った会社の営業スタッフは、油断してフォローを手薄にすることだってあるのです。そんな不満を持った時であれば、心はグラッと動きます。クロージングに失敗したらソフトに文章でアプローチしてみましょう。

 

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<ワンポイントアドバイス>

断られた時用のツールを準備しておく

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トップ営業は、お客様に断られてから「三手」打つ

商談をしているお客様から「今回は申し訳ありませんが、他社に決めることにしました」と言われることがあります。お客様からの断りです。時間と労力をかけたお客様からであれば、かなりのダメージを受けます。

 

これをゼロにできれば最高なのですが、勝率100%というのはどんなに凄腕営業スタッフも無理なのです。

 

ただここでトップ営業スタッフは、ただ単に泣き寝入りはしません。

 

知人のトップ営業スタッフは「お客様から断られてから三手打つ」といった話をしていています。

 

と言っても「そこを何とか、もう一回考え直してくださいよぉ~」などとしつこく粘るというのではありません。そんなことをすれば嫌われるだけです。

 

その営業スタッフはお客様から断られたら、以下のような三手を打つといった方法を取ります。

 

●一手:「こんなことがあったらご相談ください」というメールを送る

●二手:商談をしてくれたことに対しての感謝の手紙で送る

●三手:アンケートを書いてもらう

 

お客様によって多少変えますが「この方法でけっこうな数の逆転に成功しましたよ」と言っていたのです。

 

断られてそのまま終わりではノーチャンス。それはもったいないことです。

 

やみくもに粘るのではなく、何か手を考えてチャンスをうかがうようにしてください。ひとつでも逆転で拾えれば儲けものです。こうしたことが、大きな結果の差につながります。

 

まずは真剣に商談に臨んでしっかりとクロージングしてください。その結果、断られてしまったら「ここから何か三手打つ」と考えてみましょう。わずかな行動から逆転劇が起こることもよくあります。

 

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<ワンポイントアドバイス>

最後まであがく営業スタッフが勝つ

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菊原 智明

営業サポート・コンサルティング株式会社 代表取締役

営業コンサルタント、関東学園大学経済学部講師、一般社団法人営業人材教育協会理事

 

群馬県生まれ。大学卒業後トヨタホームに入社し、営業の世界へ。「口ベタ」、「あがり症」に悩み、7年もの間クビ寸前の苦しい営業スタッフ時代を過ごす。「対人恐怖症」にまで陥るも、“訪問しない” “お客様に望まれる”営業スタイルを確立。突如、顧客の90%以上から契約を得て、4年連続トップの営業スタッフに。約600名の営業スタッフの中においてMVPを獲得。2006年に独立。営業サポート・コンサルティング株式会社を設立。現在、経営者や営業スタッフ向けのセミナー、研修、コンサルティング業務を行っている。

 

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※本連載は、菊原智明氏の著書『営業スキル100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

営業スキル100の法則

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菊原 智明

日本能率協会マネジメントセンター

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