クレーマー的なお客様の怒りを鎮めるためのワザ
⇒謝罪だけでなく「詳しい状況をお聞かせください」と質問する
私の知人に、長年カスタマーセンターで働いている人がいます。いわゆるクレームが集まる部署です。クレームというのはたまに起こるだけでキツく感じます。しかし、知人は毎日クレームを処理しているというのですから、想像しただけで「かなり大変な仕事なんだろうな」と思います。
その知人が、ひとつ秘訣を教えてくれました。
クレームが起こった時、たいていの人は「大変申し訳ございません」と謝罪します。これで納まることもあります。しかし、クレーマー的なお客様はすぐ謝罪したのでは「謝って済む問題じゃない!」「お客様をなんだと思っているんだ!」などと感情的になるケースも多いと言います。謝罪したことで逆に怒られる時間が長くなるというのです。
こういったお客様に対しては、謝罪するだけではなく「詳しい状況をお聞かせいただけないでしょうか?」といった質問をするといいと言います。状況について聞かれると、お客様は時系列に話を組み立てて話そうとします。これによって冷静さを取り戻すのです。
お客様は話をじっくり聞いてもらえれば気が済んで、「まあ、しょうがないか」と勝手に納得するケースも少なくありません。
クレーマー的なお客様からの連絡に対して、まずは「では今の詳しい状況を教えてください」という質問をしてみてください。火に油を注ぐことなく、最小限で解決します。
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<ワンポイントアドバイス>
お客様から時系列に話を聞いていく
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クレームで被る被害を最小限にするワザ
⇒クレームが起こった時は「すべて自分のせいだ」と考える
営業活動では「気を抜いた瞬間が一番危ない」と言われております。
●契約後のフォローを怠った
●説明不足で誤解が生じた
●ケアレスミス
などなど、些細なことからクレームにつながるものです。
気を抜いたことでお客様からの信頼を失う。営業スタッフとして非常にダメージが大きいものです。
例えば、あなたのことを信頼して契約いただいたお客様がいたとします。
契約時に「いい仕事をしてくれたら3~4人は社長を紹介するからね」と言ってくれます。こういったお客様の存在はありがたいものです。
将来的に紹介を生んでくれる“金のお客様”をクレームで契約がキャンセルになってしまう。これは大損害です。
「契約1+紹介で3~4=4~5契約」
→「契約1-キャンセル1=0契約」
契約5と0とでは天国と地獄です。大違いになります。こんな時はパニックになり冷静さを失うものです。
ショックを受けるのは当然なのですが、ダメージはここで留めておく必要があります。
多くの営業スタッフはショックのあまり冷静さを失い、スタッフに「なんでチェックしてくれなかったんだ!」などと人のせいにしたりします。さらにまわりの人に八つ当たりをしたりと…。
こんなことをすれば敵を増やし、完全に会社で孤立状態になっています。その後、冷静さを取り戻した時に「なんであんな行為をしてしまったのか…」と死ぬほど後悔することになるのです。
スポーツでも賭け事でも、パニックになったら勝負には勝てません。怒りに任せて行動すれば、二次災害、三次災害と被害を広げていきます。
ショックなクレームのときこそ「これはすべて自分の責任だ」と認め、できる限り冷静さを保ちましょう。人のせいにしたり八つ当たりしたりするのではなく、協力して解決するのです。クレームは仕方がないとしても、その後の被害は全力で食い止めてください。
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<ワンポイントアドバイス>
クレームのダメージは最小限で食い止める
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菊原 智明
営業サポート・コンサルティング株式会社 代表取締役
営業コンサルタント、関東学園大学経済学部講師、一般社団法人営業人材教育協会理事
群馬県生まれ。大学卒業後トヨタホームに入社し、営業の世界へ。「口ベタ」、「あがり症」に悩み、7年もの間クビ寸前の苦しい営業スタッフ時代を過ごす。「対人恐怖症」にまで陥るも、“訪問しない” “お客様に望まれる”営業スタイルを確立。突如、顧客の90%以上から契約を得て、4年連続トップの営業スタッフに。約600名の営業スタッフの中においてMVPを獲得。2006年に独立。営業サポート・コンサルティング株式会社を設立。現在、経営者や営業スタッフ向けのセミナー、研修、コンサルティング業務を行っている。
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