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終の棲家として魅力的なタワーマンションの住環境
60代からのリタイア世代がタワーマンションに感じる魅力とはどのようなものでしょうか。
高い資産性は当然のことながら、まずは立地の良さが挙げられます。「マンションの価値は立地で決まる」とよく言われますが、タワーマンションではそれがより顕著です。多くは駅に近い立地であるため、リタイア世代にとって買い物や病院通いにとても便利です。
またファシリティの充実も魅力です。ゴミ置き場は各階にありゴミ袋を持って一階まで行く必要がありません。ゴミを持ったままエレベーターで住民と鉢合わせするのはとても嫌なものです。コンシェルジュが常駐しているマンションではセキュリティも万全。共用施設としてフィットネスジムやラウンジ、サウナなどが充実している場合もあります。高層階では眺望の良さも抜群。高層階に住んでいなくても共有施設としてパーティルームがある場合はそこで景色を楽しむこともできます。また住宅内はワンフロアであるため、二階建ての戸建て住宅と比較してリタイア世代には生活しやすいでしょう。
しかしタワーマンションもいいことづくめではありません。確実にデメリットとリスクが存在します。
リタイア世代〈タワーマンション住まい〉のデメリット5選
タワーマンションに住むリタイア世代にとってのデメリットを5つ挙げます。
① 外出に時間がかかる
特に朝の時間帯はエレベーターが混雑しがちです。駅から徒歩5分にもかかわらず、建物の外に出るまで15分かかることもめずらしくありません。
② 修繕積立金の大きな負担
タワーマンションの大規模修繕工事はまだ工法が確立されていないため、将来積立額が足りなくなる恐れがあります。若い世代の場合は大規模修繕時期までに売却することも考えられますが、リタイア世代ではそうもいきません。
③ 子ども世代への相続税負担
資産性の高さは、重い税負担としてのしかかる可能性があります。前述のとおり「タワマン節税」は終了してしまったため、子供世代への相続税負担について対策を考える必要があります。
④ 災害時の避難が困難
2022年に東五反田にある44階建てのマンションで火災が発生したことがあります。700世帯が暮らすマンションでの避難はエレベーターが使えず大混乱だったことが想像できます。注目すべきは高齢者世帯が「避難は諦めた」と言っていたこと。高齢者が階段を使って一階まで避難するのは難しいでしょう。2011年の東日本大震災でも体の不自由な高齢者が避難を諦め、津波の犠牲となられた痛ましいケースが多くありました。避難を諦めるという事態が都心でも起こりかねないということを、この火災で気づかされました。
⑤ 体調不良時、救急隊の到着に時間がかかる
リタイア世代にとって常に不安なのは、急な体調不良。もし救急車を呼ぶ事態となったとき、救急隊が高層階にたどり着くために一体何分かかるのでしょうか。コンシュルジュが常駐しているマンションであれば、救急車が到着する前にエレベーターを一階に下げて準備してくれるかもしれません。しかしそれはコンシェルジュと冷静に連携できればの話です。特に出勤時間帯であれば絶望的な状況になるかもしれません。
さらにもしエレベーターにストレッチャーが入らない古いマンションの場合、救急隊員におぶってもらい降りていくこともありえます。時間を争うような急病の場合、悲惨なことになるのは想像に難くありません。
この点について興味深いデータがありますのでみていきましょう。
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