(※写真はイメージです/PIXTA)

今後、30年以内に起こる確率が高い「首都直下地震」。このような危機を前に東京であれば「どこに住まいを構えるべきか」「どのような対策を講じるべきか」関心が高まっています。今後の住まいづくりについて、FP1級の川淵ゆかり氏が解説します。

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    東京都で災害に弱い街・強い街

    東京都都市整備局『地震に関する地域危険度測定調査』では、都内の市街化区域の5,192町丁目について、各地域における地震に関する危険性を発表しています。「建物倒壊危険度」「火災危険度」「災害時活動困難係数」より総合的な危険度を求めてランク付けしています。危険度上位20(=地震の危険度が高い街)と下位20(=地震の危険度が低い街)をみていきましょう(関連記事:『「地震に強い東京の街」ベスト50「地震に弱い東京の街」ワースト50…東京5,192町丁目を分析』)。

     

    出所:東京都都市整備局『地震関する地域危険度測定調査』より
    総合危険度からみた住む場所ワースト20(危険度の高い場所) 出所:東京都都市整備局『地震関する地域危険度測定調査』より
    出所:東京都都市整備局『地震関する地域危険度測定調査』より
    総合危険度からみた住む場所ベスト20(危険度の低い場所順) 出所:東京都都市整備局『地震関する地域危険度測定調査』より
    ※上位12位地点は安全度同率1位

     

    以上を見ると、必ずしも臨海部が危険とはいえません(臨海部は危険度100位にもランクインしていません)。また首都直下型地震とは「東京都、千葉県、埼玉県、茨城県、神奈川県、山梨県を含む南関東地域のいずれか又は複数の地域を震源とする、マグニチュード7クラスの大規模な地震」と定義されているので、どこが震源地でもおかしくありません。常日頃からどこに住んでいても防災についてはしっかりした対策が必要です。

     

    さらに、これから住む場所を探す場合は、地震を始めとする災害のことを考えて、周りの建物の状態や避難できる場所も含めてチェックして、災害に対する強さを確認していくことが重要です。

    地震に対する備えで、被害を大幅減へ

    しかしながら、下記の図を見ていただくとおわかりのように、10年前の発表に比べると、死者数や全壊棟数は約3割~4割も減少しています。建物の耐震化の推進により大きな効果が上がったことがわかります。

     

    さらに、今後も建築基準法の1981年基準や阪神淡路大震災後の2000年基準に完全に変わっていけば、被害をさらに6割~8割は減らせていけると想定されています。

     

    東京都防災会議『東京都の新たな被害想定』概要資料より引用
    東京都防災会議『東京都の新たな被害想定』概要資料より引用

     

    住まいの中でできることもあります。10年前の調査からは家具の転倒防止対策の実施が進んだ(57.3%)ことで、死者数の想定結果が約1割減少しました。今後もこの転倒防止策の実施が進むことにより、死者数を大きく減らしていくことが見込まれます。住まいの中でまだ対策を取っていな家庭は、ぜひ実施を検討してみてください。

     

    東京都防災会議『東京都の新たな被害想定』概要資料より引用
    東京都防災会議『東京都の新たな被害想定』概要資料より引用

     

    さらに出火防止対策の推進も大きな効果が上がっています。地震では火を出さないことも被害を拡大させないことに繋がりますので、「出火を無くす」「初期消火率の向上」などが多くの人命を助けることになります。

     

    東京都防災会議『東京都の新たな被害想定』概要資料より引用
    東京都防災会議『東京都の新たな被害想定』概要資料より引用

     

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