催告書が届く
滞納を起こしてからおよそ3ヵ月が経過する頃になると、カード会社から内容証明郵便で「催告書」と呼ばれる書面が届きます。
催告書では「期限の利益」喪失により、債務を一括請求する」といった旨の内容が記載されているのが一般的です。
期限の利益とは、クレジットカードを発行する際に取り交わした契約などで定めた支払い期日や支払い方法がある場合、急に一括請求されても債務者側が拒否できる権利のことを指します。期限の利益が喪失すると、契約で定めた期日などが守られなかった場合「契約不履行」となり、債権者であるカード会社は債務者へ一括請求することが可能となるのです。
契約不履行で期限の利益が喪失し、カード会社から一括請求を受けたら、これを拒否することはできなくなってしまいます。「30回払い」などの条件で分割払いをしていたとしても、残りの残債を指定期日までに一括で返済しなければならないのです。
裁判所から連絡が来る
催告書は、カード会社が裁判所を通すための前段階として送られる書面となります。催告書が届いても無視を続けた場合、今度は裁判所から訴状や督促が届きます。
裁判所から届いた督促状は、カード会社から滞納後に送られる督促とは異なり、無視をすれば強制執行となり、差し押さえが実行されてしまうでしょう。
差し押さえ
裁判所からの通知も無視した場合強制執行となり、銀行に振り込まれる給与や貯金、不動産や有価証券などが差し押さえられてしまいます。勤務先にも連絡がいくため、財産を失うだけでなく、滞納の事実が周囲にバレてしまう可能性があります。
なお、給与から差し押さえられる額は全額の4分の1か、手取り額が44万円を超える場合は33万円を超えたすべての額となります。
生活費として必要な最低限度を除いた財産が差し押さえられると理解するとよいでしょう。
クレジットカードを滞納するとどうなる?
クレジットカードを滞納してから差し押さえが起きるまでの流れがわかったところで、クレジットカードの滞納で起きるリスクについても、さらに詳しく見ていきましょう。
クレジットカードを利用した支払いができなくなる
クレジットカードの滞納が起きると、かなり早い段階でカードが使用停止になることは上記で解説した通りです。
利用停止となった場合、新たにカードを利用したショッピングができなくなるのはもちろん、クレジット決済を利用したサブスクや会費の支払い、公共料金や携帯電話の利用料金なども使えなくなってしまいます。
支払いがカード決済のみとなっているサービスの場合、カードが使えなければサービスの利用自体も継続できなくなってしまうため、生活に大きな影響が出るケースもあるでしょう。
また、滞納したカード以外にもカードを所有している場合、そのカードで滞納を起こしていなかったとしても利用停止となってしまう可能性もあるため注意が必要です。
新規カード発行ができなくなる
クレジットカードを滞納して強制解約となった場合、信用情報機関に事故情報として掲載され、ブラックリスト入りした状態になります。事故情報は滞納したカード会社以外の金融機関でも共有されるため、ブラックリスト入りしている間は新規にカードを申し込んでも審査に通らなくなってしまいます。
滞納の事故情報は滞納額の完済後5年は残り続けるため、その間は新規にクレジットカードを持つことが難しくなるでしょう。