株式市場の各セクターにどのような企業が存在しているのか。どの企業が業界ナンバーワンであるのか。オンリーワン企業にどのような企業があるのか。株式投資するなら、理解したいですよね。そこで、本連載では長期株式投資氏による著書『半オートモードで月に23.5万円が入ってくる「超配当」株投資 日経平均リターンを3.86%上回った“割安買い”の極意』(KADOKAWA)から一部抜粋して、株価が暴落した時に買いたいかどうかの銘柄を以下の4段階で評価して紹介します。◎⇒ぜひ買いたい、〇⇒買いたい、△⇒検討したい、―⇒原則として検討の対象とはしていない。長期保有を前提とし、時価総額(企業価値評価の指標。株価×発行済み株式数で計算)、収益性、財務健全性、成長性、配当の持続可能性などから、複合的に判断しています。各セクターにおける主要企業を理解し、投資先として検討しましょう。今回は水産・農林業、食料品業界の企業です。
水産・農林業~ブロッコリー世界シェアトップの「隠れたグローバル企業」とは?~
水産・農林業は食品セクターに分類されます。
ニッスイ、マルハニチロ
水産業では、ニッスイとマルハニチロの2強です。
とはいえ、売上高営業利益率(高いほど儲かっている)は低く、儲かっているとは言い難い状況であり、長期保有を前提とするならば、あえて投資したいとは思えません。
業界3位の極洋は、上位2社とはかなりの差があり、検討に値しないと考えます。
サカタのタネ
農林業では、サカタのタネがおもしろい銘柄といえます。売上高営業利益率が10%を超え、競争力を確保できていますし、自己資本比率(高いほど健全)は80%を超えており、財務基盤は鉄壁です。
また、種苗は国内首位級で、ブロッコリーも世界シェア6割を超え、ニッチなマーケットにおいての存在感は抜群。海外売上高比率は70%を超えており、隠れたグローバル企業でもあります。
このように、サカタのタネは、企業としては極めて優れているのですが、投資対象とするには株価が高い状態が続いています。
配当利回りはここ数年、1%前後で推移しており、投資対象とするには物足りない水準です。
株価の暴落時、配当利回りが10年ほど前の水準である2%に近づくのであれば、投資先として検討に値するのではないかと考えます。
私は以前、優待目的で保有していましたが、配当が低いことから売却しました。その後、業績も株価も配当も右肩上がりで、少し悔しい思いをしています。
「日本の配当株」専門の元サラリーマン投資家。
1977年生まれ。2004年から株式投資を始める。2006年、ライブドアショックで痛すぎる損失を経験。以降、大型株へ投資対象をシフトするが、2008年、リーマンショックで含み損が600万円まで膨らみ「退場寸前」となる。しかし2009年、ポートフォリオを大型配当株メインにスイッチ。以降は、安定的に資産を増やし、2022年の税引き後の手取り配当額は、282万5128円と過去最高を更新。2023年3月、資産1億円を達成し早期リタイアを達成。
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連載セクター代表企業の「暴落買い」指標を◎〇△−で4 段階評価してみた