日本には、2021年時点で純金融資産を1億円以上持つ「富裕層・超富裕層」が149万世帯あります(野村総合研究所)。このような「億万長者」には、意外な共通点が存在すると『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)の著者で、元国税専門官のマネーライター小林義崇氏は言います。筆者が思わず驚いたその共通点とは? みていきましょう。

電話代さえケチる…だからお金が貯まる

「電話を折り返してください」

 

都内の税務署に若手OK職員として勤務していた私は、相続税について相談したいという女性から、たびたび電話を受けていました。その女性は、いつも名前と電話番号を私に告げるや否や折り返しを求めて電話を切るのです。

 

最初に相談を受けて話を聞いたとき、ざっと計算しただけで、その女性は数億円単位の財産を相続しており、確実に相続税の申告が必要であることがわかりました。そのことを説明してから、たびたび電話で疑問点を尋ねてくるようになったのですが、そのたびに折り返しの電話を求めてきたわけです。

 

ある日、その女性との長電話を終えた私は、近くの席にいた50代のベテランの先輩に、「億単位の財産を相続しても、電話代が惜しいんですかね」と、ついこぼしてしまいました。

 

するとその先輩は、「コバちゃん、わかってないね。そういう奥さんがいたから、億単位の財産が貯まったんだよ」と笑い飛ばしたのです。

 

まだ新人だった私にはピンときませんでしたが、数十年にわたって相続税調査を経験した先輩にとって、お金持ちの人が折り返し電話を求めることは、けっして不思議なことではなかったのです。

 

相続税調査をはじめて経験したときも、富裕層の質素な生活ぶりにたびたび驚かされました。当時の私にとって、富裕層の生活など“未知の世界”です。

 

筆者の「お金持ちイメージ」は『おぼっちゃまくん』だったが…

私が育ったのは福岡県北九州市の市営団地が建ち並ぶエリアで、周囲にお金持ちはいませんでした。

 

私にとってお金持ちのイメージといえば、漫画やアニメで見た『おぼっちゃまくん』の世界観です。家には執事やお手伝いさんがいて、欲しいものはなんでも買ってもらえる。そんな自分とは別世界の人々だとしか想像できなかったのです。

 

はじめての相続税調査で富裕層の自宅を訪問するまでは、「億万長者だから、きっと派手な生活をしているだろう」と、不謹慎ながら豪勢な生活ぶりに触れることにワクワクしていたのですが、実際に調査に入ると、その期待はあっさりと裏切られました。

 

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元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者

元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者

小林 義崇

ダイヤモンド社

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