マクドナルド社の広告を4Cで分析
私は、ネットで見た日本マクドナルド社の「ベーコンポテトパイ」の動画広告にとても興味を抱きました。この商品の発売は古く(1990年発売で、あまり変化していない)、なぜ今さらこの商品を打ち出したのかに興味が湧いたのです。
試しに、4Cで分析してみましょう。
まずは「1. Cost」。税込150円という低価格と、変わらない味が売りの商品です。安心と懐かしさを感じる40~50代がターゲットの可能性があります。
次に、「2. Customer Value」。お客様は、キャンペーンを通じてこの商品を知ることになるでしょう。90年代から変わらない商品ということは、90年代に関心がある若い層(10~20代)にも興味を持ってもらえそうです。
そして、「3. Convenience」。マクドナルドは、自社の配送サービスを含め、ウーバーイーツや出前館など、多様なアクセス手段を使えます。実店舗だけでなく、さまざまな販売チャネルに慣れ親しんでいるお客様層に訴求しているように見えます。20~30代を中心に幅広い層がターゲットになりそうです。
最後に、「4. Communication」です。コロナ禍が続いたことで、新しい話題がほしいお客様は少なからずいます。このキャンペーンで、お客様は昔よく食べたこの味を新たな話題としたいと思うはずです。同世代間のオンラインコミュニケーションが得意な層、つまり、20~40代がターゲットであろうと考えられます。
広告を分析すれば、その企業の考え方が分かる
まとめると、この広告は次のようなことが言えるのです。
◆どのようなお客様に対する広告か?
10~50代までの幅広い層に訴求しています。90年代を懐かしく感じる層と、90年代を目新しく感じる層の両方に伝える仕掛けです。
◆何を伝えようとしているのか?
多様な販売チャネルを使い、テイクアウトなどの便利さや新たな話題を提供して、オンラインコミュニケーションの活性化を狙っている。
◆なぜ、今、広告を出すのか?
コロナ禍で閉塞感にあふれていた時期だからこそ、安価に、目新しい話題を提供できる効果的な広告だということが考えられます。
もちろん、これは仮説です。それでも、他社の広告を分析することで、そのとき、その企業が考えるお客様目線を想像することはできるのです。ネット上には、動画広告があふれています。ぜひ、本記事で紹介した「4C」を使って、その広告からお客様目線を想像してみてください。
経営コンサルタント
株式会社シャイン&コー代表取締役社長
市原 義文
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