(※写真はイメージです/PIXTA)

「民族滅亡の三原則」とは、アーノルド・J・トインビーが提唱した(異説有)とされる原則です。これを会社にそのまま当てはめると、滅びる会社と永続する会社の違いが見えてくると、は仕組み経営株式会社の取締役・清水直樹氏いいます。本記事では「民族滅亡の三原則」から、成長しない会社の特徴を紐解いていきます。

「民族滅亡の三原則」とは?

[図表]民族滅亡の三原則

 

「民族滅亡の三原則」とは以下の3つです。

 

1.理想や理念を失った民族

2.すべての価値をお金や物質で捉え、心の価値を見失った民族

3.自国の歴史を忘れた民族

 

アーノルド・J・トインビーとは?

「民族滅亡の三原則」の提唱者といわれているトインビーとはどんな人物なのでしょうか。

 

トインビーは、イギリスの歴史家・歴史哲学者(1889年4月14日–1975年10月22日)です。ただし、トインビーが、「民族滅亡の三原則」を明言した、という記録はないようです。のちに誰かが様々な著作から見出した原則かもしれません。

 

中條高徳が実際の提唱者?

「民族滅亡の三原則」は、実は中條高徳氏が提唱したものだという説もあるようです。中條高徳氏は、アサヒビールがキリンビールを大逆転したときの立役者であり、後に副社長やアサヒビール飲料会長を歴任されました。

 

2010年5月29日の日本論語研究会の講演で中條氏が以下のとおり「民族滅亡の三原則」を語ったという記録があります。トインビーの著作には、「民族滅亡の三原則」が明言されていませんので、こっちが正しいかもしれません。

 

1.理想を失った民族は滅びる。

2.すべてを物の価値に捉えて、心の価値や豊かさを忘れた民族は滅びる。

3.そして、自国の歴史を忘れた民族は滅びる。

「民族滅亡の三原則」を会社に当てはめると?

さて、本連載は、主に会社経営者向けに書いておりますので、「民族滅亡の三原則」を会社に当てはめて考えてみたいと思います。

 

原則1:理想や理念を失ったは会社は滅びる

これは会社としての理念、夢、ビジョンなどのことですね。それらを失った会社は滅びる、と解釈できます。理念が大事、というのは経営者であればだれでも聞いたことがあると思いますが、実際に、理念を真剣に考え、文書化し、日々の仕事で指針としている会社はかなり少ないと思います。

 

実は私の師匠である経営コンサルのマイケルE.ガーバー氏も、起業家として最初に取り組むべきことは、夢の発見であると説いています。ちなみに、その次に取り組むべきことは、「ビジョン」「ストーリー」「ミッション(計画や戦略)」です。

 

ガーバー氏は、世界7万社を指導するなかで、経営者が夢に奮い立っていないことこそ、会社の成長が滞る最大の原因であるといっています。会社の成長が滞るということは、世のなかの相対的に見れば衰退しているということになります。したがって、そのままの状態が続けば、会社は滅亡の道をたどるというわけです。

 

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