(写真はイメージです/PIXTA)

23年6月の完全失業率は、前月から0.1ポイント低下の2.5%、失業者は同4万人減の173万人となりました。本稿ではニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏が、産業別・雇用形態別の就業者数の動きや有効求人倍率の動きを振り返り、雇用情勢の見通しについて解説します。

2.有効求人倍率は低下傾向が続く

厚生労働省が8月1日に公表した一般職業紹介状況によると、23年6月の有効求人倍率は前月から0.01ポイント低下の1.30倍(QUICK集計・事前予想:1.32倍、当社予想は1.31倍)となった。有効求人数が前月比▲0.0%と4ヵ月連続で減少する一方、有効求職者数が同0.6%と2ヵ月連続で増加した。

 

有効求人倍率の先行指標である新規求人倍率は前月から0.04ポイント低下の2.32倍となった。新規求人数が前月比▲2.8%の減少となり、新規求職申込件数(同▲1.2%)の減少幅を上回った。

 

新規求人数は前年比▲2.1%(5月:同3.8%)と2ヵ月ぶりに減少した。

 

産業別には、製造業(前年比▲11.0%)、建設業(同▲7.2%)が4ヵ月連続で減少したほか、卸売・小売業(5月:前年比5.5%→6月:同▲2.0%)生活関連サービス・娯楽業(5月:前年比3.8%→6月:同▲0.7%)が減少に転じ、宿泊・飲食サービス業(5月:前年比13.5%→6月:同1.3%)も前月から伸びが大きく鈍化した。

 

 

有効求人倍率は22年末をピークに緩やかに低下しているが、雇用情勢は全体としては持ち直しの動きが続いていると判断される。

 

特に、宿泊・飲食サービス業は、就業者数の大幅増加が続き、コロナ禍前の水準に近づいている。ただし、同業種では、新型コロナウイルス感染症の5類移行や水際対策の終了を受けて需要が急回復しており、それに見合った人手は十分に確保できていないものと考えられる。宿泊・飲食サービス業は人手不足感が強い状態が続くだろう。

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年8月1日に公開したレポートを転載したものです。

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