(※写真はイメージです/PIXTA)

複数の相続が発生している「数次相続」という状態をご存知でしょうか? 本稿では、相続の際に知っておくべき「数次相続」について、遺産を分割する方法や登記のやり方等を解説します。

相続関係説明図

相続関係説明図には法定相続人が亡くなった事実、そして法定相続人の相続人を記載します。図をご覧ください。

本来、法定相続人となるはずだった「〇〇一郎」が亡くなったので、その相続人として妻「〇〇良子」、子供「〇〇雄一」を追加します。

数次相続での不動産登記は?

数次相続では中間省略登記が可能なケースもあります。中間省略登記とは、中間部分にあたる所有権移転登記を省略する手続きです。

 

A→B、B→Cという手順を省略し、A→Cの1回の申請で登記ができます。

 

主に次のようなケースで中間省略登記を行えます。

 

・中間の相続人が1人だけ

 

・中間の相続人は複数いたが、他の相続人が相続放棄して1人しか残らなかった

 

逆に、中間の相続人が2人以上いたケースだと、中間省略登記は認められません。

数次相続の場合の手続きにおいて注意すべき点とは?

数次相続の場合は、申告義務のある法定相続人がその相続税申告書の提出前に死亡しています。そのため、二次相続人となる人が申告・納税義務を果たさなければいけません。

 

ただし、相続する遺産が相続税の基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)の範囲内に収まるなら、申告・納税義務も不要です。

 

一方、この相続税の基礎控除を利用する場合、数次相続では被相続人の相続(一時相続)が発生した時点での法定相続人の数で計算します。

 

つまり、被相続人の相続の発生時に法定相続人A・B・Cがいて、Bが死亡しBの法定相続人D・Eがいても、法定相続人A・B・Cの計3人で計算する必要があるのです。

 

 

後藤 光

株式会社サステナブルスタイル 代表取締役

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