(※写真はイメージです/PIXTA)

親にもしものことがあった際、親の資産状況を把握していないと、その子どもには大変な労力がかかってしまいます。そこで今回FP監修のもと、子が把握しておくべき親のお金まわりの項目と、「モメない話し合い」の極意をみていきましょう。※本記事は、上大岡トメ氏による著書『マンガで解決 親の介護とお金が不安です』(主婦の友社)より一部を抜粋・再編集したものです。本記事内の情報は、2021年4月時点のデータに基づいています。

Q.どうやったらモメずに話し合える?

A.親の性格によってアプローチ方法を検討すべし!

そうはいっても「お金いくら持っているの?」とは聞きにくいものです。私たち世代は特に、親子でお金の話をすることに慣れていません。「お金の話なんて、はしたない」という文化もあります。

 

親だって「子どもにお金のことを知られたくない」と考える人もいるでしょう。「自分の貯蓄額を伝えたとき、子どもの目が輝くのもガッカリされるのもイヤ」と言う人がいましたが、その気持ちもわかります。

 

いきなり本丸に攻め込むのは避けたほうがいいでしよう。親のタイプによってアプローチを変えつつ、「私の友達のママが救急搬送されたんだけど、お金がおろせなくて困ったんだって」などの実例を交えて、危機感を持ってもらいましよう。

 

図表:あなたの親はどのタイプ? 出所:書籍『親の介護とお金が不安です』より抜粋
図表:あなたの親はどのタイプ?
出所:書籍『親の介護とお金が不安です』より抜粋

アンケートより…親に聞いた?お金の話、これからの話

親が自分から

口座や通帳、証券会社のネット取引、保険や不動産関係の書類などは、父がすべて整理して教えてくれた。母はエンティングノートを丁寧に書き、「延命治療不要」なども意思表明し、遺影も準備してくれている。

 

その一方で、父はエンディングノートを書いていないし、母はお金のことは父におまかせ。自分の気乗りのしないことからは逃げているので、どちらが先になったとしてもモメそうでちょっと不安。

〔まちあけさん/58歳〕

 

母から「エンディングノートか欲しい」と言われてプレゼント。父はあまりストレートだとイヤかと思い、自分史のようなものを記入できるノートを「読んでみたいから書いて」と渡した。でも実際に二人が書いているかは確認していない。見てみなくちゃ!

〔ゆいさん/58歳〕

 

葬儀や法事で

去年、夫の叔母が亡くなり、今年は私の叔父が亡くなった。そのつどそれぞれの両親に「私だったらこうしたい」と話し、両親の意見を引き出した。

〔主婦になって30年過ぎましたさん/58歳〕

 

年賀状を使って

父とはふだんからよく話していたが、正月は年賀状を見ながら「この人はどなた?」と聞きながらメモさせてもらった。父が亡くなったあとの連絡もスムーズで、その人たちから私の知らない父の姿を聞くことができ、私の財産になった。

〔イズミさん/55歳〕

 

テレビを見ながら

たまたまテレビで終活について特集していたのを親と一緒に見ていたので「うちはどうしよう?」という流れになった。父は意思を明確にしてくれたが、母はペンディング中。

〔Joyさん/57歳〕

 

聞いてみたけど

父が80歳になったとき、延命措置や葬儀などについて聞いたところ「まだ早い」と言われてしまった。当時だって入退院を繰り返していたのに。要介護4の今はもう聞けない。

〔Mさん/58歳〕

 

まったく聞いていない

遠方に暮らしていたため、帰省したときには当たりさわりのない会話しかしていなかった。シリアスな話題を避ける空気がわが家にあったと思う。

 

そのため、いざ親が亡くなったときに証書などの場所もわからず、普通預金はキャッシュカードを作っていなかったことを知った。

 

実家の土地や家は、父が祖父から名義変更していないことも判明し、いま現在も途方に暮れている。聞けばよかった。

〔涼ちんさん/58歳〕

 

 

上大岡 トメ

イラストレーター

 

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※本連載は、上大岡トメ氏による著書『マンガで解決 親の介護とお金が不安です』(主婦の友社)より一部を抜粋・再編集したものです。

マンガで解決 親の介護とお金が不安です

マンガで解決 親の介護とお金が不安です

著者:上大岡 トメ
監修:黒田 尚子

主婦の友社

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