(※写真はイメージです/PIXTA)

企業改革を行うにあたって、まずは社内で改革内容を共有するところから始まります。しかし、いくら社内発信を行っても、社員に浸透しないというケースは少なくありません。そんなときには一体どうすればよいのでしょうか? 本記事では株式会社 YRK andのブランディングストラテジスト・木村昌紘氏が、企業改革を社員に浸透させる方法を解説します。

無意識に参加したくなる仕掛けづくり

(出所:YRK and 事業変革のヒントが見つかる Re/BRANDING magagine コラム)
[図表2]インナーブランディング成功の秘訣 (出所:YRK and 事業変革のヒントが見つかる Re/BRANDING magazine コラム)

 

ビジョンは伝えて浸透させるものではなく、ビジョンを中心にした取り組みに「社員をどうやって集めるか?」が重要です。

 

メーカー、サービス業、BtoC、BtoB問わずさまざまな企業で、うまくビジョンを中心に社員を巻き込んで自律型人材・組織へと変革させた例はあります。

 

社員を巻き込む企画として、「ビジョン体現に向けて素晴らしい活動をした人・チームの表彰制度」「リブランドを体現する新商品アイデアコンテスト」「変革を機に自らの手でオフィスをリニューアル」など多種多様な取り組み事例を耳にしますが、これ以外にもきっと自社の風土にマッチしたやり方は無限にあるはずです。

 

こうした活動を企画する際のポイントは、一過性のイベントよりも(ローンチ時には大切ですが)、オフィスや制服・ユニフォームのように目に見えて毎日使用するものを刷新したり、日常的な制度や毎年の行事として仕組み化できるものであればあるほど、ビジョン実現に向けた取り組みが社内で無意識に浸透・定着し、共感・共鳴が生まれる環境を創ることが可能です。

「PULL」こそが、強い企業・組織への変革の秘訣

自律型人材・組織への変革のために、ビジョンやミッションを策定するということは非常に有効な手段である一方で、プロセスにおいて留意すべきは、「創る側」「受け取る側」の二極構造をいかにして作らないようにするか、が非常に重要です。そのために行うべきこととして、2つのポイントをご紹介します。

 

①ビジョン・ミッションを創るフェーズ

ワークショップ、インタビュー、アンケートなどにより、社員の声を的確に吸い上げると同時に、自分たちの会社が変わっていくことへの興味と期待を並行して作ること。密室の会議で決められたものにしないためにも、できる限りオープンなプロセスが目的達成のためには重要です。

 

②ビジョン・ミッションを共感・共鳴させるフェーズ

いうまでもなく社内リリースはリアルで、視覚的インパクトが重要ですが、浸透においては、何らかのアクションに社員が興味をもって参加できるようにすること。最初はビジョンへの理解が低くても活動に参加しているうちにビジョンとアクションそして普段の業務が紐づき、本当の意味での浸透、共感・共鳴が図れます。

 

世のなかも、広告・プロモーションによって売り切るビジネスから、ブランディングによって愛され繋がり続けるビジネスへとシフトしていますが、社内へのビジョン浸透、共感・共鳴においてもまったく同様にPUSHして理解を求めるやり方から、PULLによって共感をつくるやり方へとシフトさせ、インナーブランディングを加速させる時代になってきたといえます。

 

労働人口が減少していく未来に向けて、PULLによる求心力で自律型組織を少しでも早く構築しておく必要があるのではないでしょうか。

 

 

木村 昌紘

株式会社 YRK and

ブランドクリエイティブユニット 東阪統括

シニアブランディングストラテジスト

 

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