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「よく続けられましたね」とお聞きしたところ、西村社長は、少し考えた後にこう答えました。
「もともと金儲けがしたくて社長になったわけではないんです。“愉しい会社”をつくりたかったんです。メンバー一人ひとりが自分の個性を発揮し、自由でありながら、互いの能力の凸凹を補い合える、感動あふれるチームをつくりたかった。愉しくないのに業績が上がっても、僕には意味がないんです。この思いが強く、そんな会社をつくるためには、この対話をやめてはいけないと思ったんです」
根気よく対話を続けたことで、西村社長の思いが伝わり、社員さんは自分の人生について真剣に考えるようになりました。人生を真剣に考えると、人生を支える仕事についての捉え方も変わります。
「人生の目的を達成するためには、会社はどうあるべきか?」というテーマで語り合う「統合プロセス」に進みます。「感動をつくる、とはどういうことか?」「感動をつくるために、自分たちはどうあるべきか?」と真剣な対話を重ねました。「親友プロセス」と「統合プロセス」に、実に3年間もかけたのです。
指示待ちだった社員が心から仕事を楽しむように
変容した同社は快進撃を始めます。トップダウン経営の時代では、西村社長に相談していた、ほぼすべてを現場の社員さんが決め、実行するようになりました。
例えば、インターネットで靴を販売すると、サイズが合わず、返品が発生することがあります。通常だと、お客様から返品されたのを確認してから新しいサイズの靴を送ります。同社では、社員さんのアイデアで、最初に新しいサイズの靴を送り、交換で返品の靴を受け取るという方法を開発しました。
万引のリスクが伴いますが、「まずはやってみて、不具合があれば、後で改善しよう」と、この方法を進めました。 自発的な取り組みは、3人ほどのチームでPDSを回し進めますので、自然とメンバー間のコミュニケーションが活性化します。
協働する中で、仲間から「心のごちそう」をもらうことも多くなりました。お客様からは、販売サイトのレビューに最高点をつけてくれたり、喜びのコメントを入れてくれたりと、たくさんの「心のごちそう」をいただけるようになりました。
4年前までは、指示待ちだった社員さんが、今では、「やってみたいことを、成功するまでできる」と、心から仕事を愉しんでいます。
米澤 晋也
株式会社Tao and Knowledge代表
株式会社たくらみ屋代表
一般社団法人夢新聞協会理事長
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