対立していたはずが一転…。35歳年上のベテラン社員が、24歳社長の「たった1人の同志」になったワケ

対立していたはずが一転…。35歳年上のベテラン社員が、24歳社長の「たった1人の同志」になったワケ
(※写真はイメージです/PIXTA)

新しい事業を始める際、社内全体が賛同する流れ(ムーブメント)を生むことが重要ですが、一筋縄ではいかないことがほとんどです。このような場合、まずは社長の価値観を共有する「たった1人の同志」を見つけることがポイントであると、『賃金が上がる! 指示ゼロ経営』(内外出版社)の著者である米澤晋也氏は述べています。本記事では、社員全員が納得する新規事業の立ち上げ方について、同書より一部抜粋・編集してお届けします。

 

イノベーションに必要なのは「たった1人の同志」

ムーブメントは、社長が「たった1人の同志」を持つことから始まります。たとえば、Aさんというイノベーターがいるとしましょう。

 

よく、Aさんのような存在を「右腕」と言いますが、指示ゼロ経営ではそう呼びません。右腕には、「自分の意のままに操れる存在」というニュアンスがあるからです。指示ゼロ経営では、社長が信じる世界を、同じように信じ、一緒に新しい世界をつくってくれる、「1番目の同志」と呼びます。

 

Aさんは、「誰もやらなくても、私はやる」という、非常に勇気が要る役割を担ってくれる人です。社長は、最上級の敬意と感謝の気持ちを持って尊重しなければなりません。また、イノベーターは仲間から非難されることもあります。そんな時は、社長が体を張ってでも守る姿勢を示さなければなりません。どうすれば、Aさんのような同志は現れるでしょうか。

 

私にとってのAさんは、35歳も年上で、先代からの社員だったTさんです。24歳で社長に就任した当初、私を一番支えてくれた人であり、最も扱いづらかった人です。当時、新聞業界の衰退期が今まさに始まろうとしていた時で、すぐにでも新しいビジネスモデルをつくる必要に迫られていました。しかしTさんは、それに賛同してくれませんでした。

 

Tさんは、社内で最も影響力の強い存在です。彼が賛同しないとムーブメントは起きません。重要なポジションにもかかわらず、賛同してくれないTさんを、いつしか私は避けるようになりました。私がTさんと距離を置けば置くほど、チームとの間に深い溝ができ、ついにチームは機能不全に陥りました。

 

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賃金が上がる! 指示ゼロ経営

賃金が上がる! 指示ゼロ経営

米澤晋也

内外出版社

【内容】 本書の目標はズバリ、<賃金が上がる>企業を増やすことです。 しかし、賃金が上がらない時代において、“安易な賃上げ”は、かえって社員のモチベーションや企業の稼ぐ力を低下させてしまいます。そうならないため…

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