1.結果の概要:住宅着工、許可件数は市場予想を下回る
7月19日、米国センサス局は6月の住宅着工、許可件数を発表した。
住宅着工件数(季節調整済、年率)は143.4万件(前月改定値:155.9万件)と163.1万件から下方修正された前月、市場予想の148.0万件(Bloomberg集計の中央値)を下回った(図表1、図表3)。
着工許可件数(季節調整済、年率)は144.0万件(前月改定値:149.6万件)と149.1万件から小幅上方修正された前月、市場予想の150.0万件を下回った(図表2、図表5)。
2.結果の評価:着工件数は前月比マイナスも大幅な伸びとなった前月の反動の影響
住宅着工件数の伸びは前月比▲8.0%(前月:+15.7%)と前月に高い伸びとなった反動もあってマイナスに転じた(図表3)。
戸建てが▲7.0%(前月:+18.7%)と20年6月以来の伸びとなった前月からマイナスに転じたほか、集合住宅も▲9.9%(前月:+10.6%)と21年3月以来の伸びとなった前月からマイナスに転じた(図表4)。
前年同月比は▲8.1%(前月:+1.0%)と13ヵ月ぶりにプラスに転じた前月から再びマイナスに転じた。内訳をみると、戸建てが▲7.4%(前月:▲5.8%)と14カ月連続でマイナスとなったほか、集合住宅が▲9.4%(前月:+16.4%)とマイナスに転じた。
地域別寄与度(前月比)は、北東部が▲0.1%ポイント(前月:▲2.0%ポイント)と3ヵ月連続でマイナスとなったほか、中西部が▲5.1%ポイント(前月:+5.0%ポイント)、南部が▲2.5%ポイント(前月:+9.8%ポイント)、西部が▲0.3%ポイント(前月:+2.9%ポイント)と前月からマイナスに転じた。
先行指標である住宅着工許可件数は、前月比▲3.7%(前月:+5.6%)とマイナスに転じた(図表5)。戸建てが+2.2%(前月:+5.4%)と6ヵ月連続のプラスを維持した一方、集合住宅が▲12.8%(前月:+5.9%)とマイナスに転じて全体を押し下げた(図表6)。
前年同月比は▲15.3%(前月:▲12.4%)と11ヵ月連続のマイナスとなった。戸建てが▲2.7%(前月:▲12.7%)とマイナス幅は縮小したものの16ヵ月連続でマイナスとなったほか、集合住宅が▲31.2%(前月:▲12.0%)と4ヵ月連続のマイナスとなった。
一方、住宅着工件数と許可件数の3ヵ月移動平均、3ヵ月前比は年率で6月がそれぞれ+19.0%(3月:▲5.6%)、+7.7%(3月:▲8.3%)と、いずれもマイナスとなった3月から4月以降は3ヵ月連続のプラスとなっている(図表7)。
このため、7月27日に発表される23年4-6月期の実質GDPにおける住宅投資は前期の前期比年率▲4.0%から9期ぶりにプラスに転じる可能性が高まっている。
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