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指示ゼロリーダーは、上手に離れチームを自立させる
チームが育つと、上司が職場にいなくても業務は回りますが、多くの場合、上司が思っているほどチームは育っていません。平常時は良いのですが、ちょっと問題が起きるとガタガタになりますし、日常業務以上の仕事を推し進めることはできません。よく、社長が出張などで行脚している間に会社がおかしくなった、という話を聞きますが、まだ十分にチームが育っていないうちに離れてしまったためです。
チームが地に足をつけて、PDSを回し続けられるようになるまでには、早くて3年、通常5年~7年、当社にいたっては10年もかかりました。大切なことは時間がかかるものです。秘伝のタレのように、「継ぎ足し、継ぎ足し」で、じっくりと時間をかけることが重要です。継ぎ足しとは、PDSの繰り返しです。まずは、①の関わり方を、時間をかけて行うことです。
チームが十分に育っていないうちは、自分たちで課題を設定することができないかもしれません。その場合は、上司が課題を設定します。その際、「なぜこれが課題なのか」と理由を添えること、そして合意を得るまで、丁寧な対話をすることが大切です。
課題が決まれば、次は、「P」を行います。みんなで話し合う時に、多くの方が、部下との関わり方に悩みます。チームの自律性を信頼し見守ることが、上司の最も重要な役割です。主導をしたり、答えを与えたりせずに、必要なサポートだけを行うことです。サポートには次のラインナップがあります。
◎励ます
発言したメンバーに対し、「頷く」「発言に対する感謝を伝える」といったプラスのメッセージを投げかけます。
◎発言を促す
発言が一部の人に偏ったら、別のメンバーに、「〇〇さん、何か考えはありませんか?」と意見を求めます。
◎整理する
話し合いが混乱したら、考え方を整理します。会議が混乱するのは、今、何について話し合っているのかが整理できなくなるからです。話し合いは、「何を」(現状)→「何に」(理想)→「どの様に変えるのか?」(方法)の3つのステップで進めることが基本です。
混乱する時は、大抵、人によって違うポイントについて発言しています。そんな時は、例えば、「今は理想の状態を描いているんだよね?」とポイントを整理します。
◎事例を紹介する
話し合っているテーマに関して有効な事例があれば紹介します。
次の段階は、上司が行ってきたサポートを、上司以外の誰かが行えるように促すことです。「上司以外の誰か」とは、特定の誰かではなく、気付いた人が、必要な役割を担うということです。上司がサポート役から外れると、最初のうちは会議がスムーズに進まないかもしれません。しかし、その要因が何であるかは、自分たちが一番分かっています。
例えば、「交通整理をしなかったから発言が偏った」「話し合うポイントがバラバラだった」などというように。要因が分かれば、自分たちで対策を立てることができます。こうして、徐々にチームが育っていき、気付けば上司は、「その場にいるだけ」となります。そうなって初めて、チームから離れることができるのです。
時間をかけて育てましょう。コツは「急がば回れ」です。
米澤 晋也
株式会社Tao and Knowledge代表
株式会社たくらみ屋代表
一般社団法人夢新聞協会理事長
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