経営計画づくりに必要な3つの視点
自分以外の誰かがつくったものに従うだけの経営計画は、時代に合いません。社員が経営計画づくりに参画しないと、計画が自分事にならず、深い理解は得られません。
ある会社の経営計画発表会の1週間後に研修に入った際、多くの社員さんは、今期のスローガンすら覚えていませんでした。社長はショックを受けていましたが、社長がつくった経営計画書が悪かったわけでも、プレゼンが下手だったわけでも、まして、社員さんの能力が低いわけでもありません。社員さんが「P」計画づくりに参画していないことが原因です。
変化が早い時代では、計画通りに進まないことが多く、何度も修正する必要がありますが、修正を社長や上司が主導すると、現場が混乱し疲弊してしまいます。社員が全体計画を理解しないままに、役割が個々に割り当てられると、自分に割り当てられた部分しか見えず、「部分最適」に陥ります。指示ゼロ経営では、社員が経営計画づくりに参画します(図表1)。
計画を修正することを前提にしているので、計画書を製本して一人ひとりに渡すことはしません。大きな模造紙に計画を書き、それを見ながら日々、進捗を確認します。困っている仲間がいれば、すぐに支援をします。途中で計画の見直しが必要になった場合は、速やかに修正を加えます。
社員が参画して経営計画書をつくると、完成に時間がかかりそうですが、実際は数日でできてしまいます。社長が1人でつくるよりも早いと思います。慣れないうちは、多少時間がかかると思いますが、参画により計画が自分事になることで、実行力が格段に上がり、結果的に早く巧みな経営が実現します。
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