(※写真はイメージです/PIXTA)

金利とはなんでしょうか? 説明がなくとも「それぐらいはわかっている」という人が多いと思いますが、金利の意味とその仕組みをきちんと理解していない人は意外と少なくありません。その本質を正しく理解していなければ金利の支払いで失敗することも……。本連載では、経済コラムニストとして活躍する大江英樹氏の著書『50歳からやってはいけないお金のこと』から、借金をする際の金利について、一部抜粋してご紹介します。

個人の場合、借金は不要?

ところが個人の場合は、自営業でもない限り、事業をするためにお金を借りることはありません。自分が買いたいもの、例えば住宅を購入するために住宅ローンを組んだり、自動車の購入にオートローンを使ったりといった、何らかの商品やサービスの購入にまとまったお金が必要となる場合には、お金を借りることになると思います。この場合も、前述の経済行為の大原則、「費用を上回る利益があるか」を考えることが必要です。

 

例えば家を買う場合の利益は、「歳をとっても自分が住む家があるという安心感」が一番大きなものでしょう。自分にとってその安心感に価値があると思えば、住宅ローンを組んでお金を借りればいいのです。よく「持ち家」か「賃貸」かで、両派の間で議論がおこなわれていますが、これはそもそも価値の異なる人たちの議論ですから、おそらくいつまで経っても結論は出てこないでしょう。

 

同様に、旅行に行ったり自動車を買ったりする場合にローンを利用するのは、「今すぐ行きたい」とか「今すぐ車が必要」だけど、現在手元にお金がない場合です。「欲しいものは欲しい」と言って金利を払ってでも借金するのか「金利という費用は無駄だから我慢して貯めてから買おう」と考えるかは、その人の価値観次第です。

 

ただ、私は何でもかんでもローンを使って手に入れるべきだという考えには賛同しかねます。なぜなら人間の欲望には限りがないからです。欲しいものを手に入れてもまた新たに欲しいものが出てくる、ということを繰り返していると、借金がいつのまにか膨れ上がってしまいます。

個人向けローンの金利が高いワケ

それに、個人が利用するローンは、これほど低金利の時代であっても異常に高いのが問題です。本来、金利というものは、お金を借りる人の信用度によって高くも低くもなります。返済リスクの低い借主ほど金利が低くなるのは当たり前です。

 

ところが個人のローンの場合、その多くは細かい信用調査などをおこないません。あらかじめ金利の水準を表示しています。住宅ローンの場合であれば、融資する物件を担保に取りますし、団体信用生命保険に加入したりしますから、貸す側にはあまりリスクはありません。したがって金利水準もかなり低くなっています。

 

ところがカードローンや消費者金融、リボ払いなどの場合、住宅ローンとは比較にならないくらい金利が高いのが普通です。なぜ高いのでしょうか? それは借りる相手の信用度をかなり低く設定しているからです。

 

普通、こうした借金の場合、担保は取りません。一定の信用調査をすることもありますが、簡単な身分証明書だけで借りられることも多いです。したがって、貸した先のうち、一定割合は返済できないということを見越して、金利を決めているのです。

 

いくらあなたが一流企業に勤めていて土地をたくさん持っていても関係ありません。それなら何も金利の高いカードローンや消費者金融を利用する必要はないでしょう。個別に銀行との相対取引を申し込めばいいだけです。

 

一般向けのローンは、現実には貸し倒れリスクのかなり高い人に対しても貸し出しているので、そういう人たちに貸し倒れが発生するリスクの分まで、 他の利用者が高い金利を払うことによってカバーしているということです。

 

考えてみれば、本来貸す方が負うべきリスクを他の健全な利用者に負担させるというのは納得がいかないとも思えますが、小口の融資においていちいち信用調査をするのはコスト的にとても合わないからでしょう。

 

注目のセミナー情報

【国内不動産】5月16日(木)開催
東京23区×新築×RC造のデザイナーズマンションで
〈5.5%超の利回り・1億円超の売却益〉を実現
物件開発のプロが伝授する「土地選び」の極意

 

【事業投資】5月25日(土)開催
驚異の「年利50% !?」“希少価値”と“円安”も追い風に…
勝てるBar投資「お酒の美術館」とは

次ページ特に気をつけるべきは借金は…
50歳からやってはいけないお金のこと

50歳からやってはいけないお金のこと

大江 英樹

PHPビジネス新書

「老後2000万円問題」や「年金崩壊」などという話を耳にして、老後のためのお金の心配をしている人は多いだろう。 しかし、そもそも、将来もらえる年金の額や、月々の生活にかかっている支出の額を、あなたはきちんと把握し…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧