教育費2,400万円超、息子が大手一流企業に勤めることを夢見た父
仲川健一さん(仮名・58歳)は地方都市で働く会社員。年収は600万円、パートで働く妻と合わせて世帯年収は860万円ほど。30代、40代は今よりも収入が少なく、家計に余裕があるわけではありませんでした。
それにもかかわらず、ひとり息子の教育費には長年にわたり相応の支出を行ってきました。その総額は、約2,400万円にのぼります。
内訳はおおよそ以下の通りです。
・中学受験向けの塾費と関連費(小4〜小6):330万円
・私立中高一貫校学費(6年間):840万円
・追加の塾・講習費(中高6年間):240万円
・大学学費(私立文系4年間):430万円
・仕送り・生活費補助・その他(4年間):560万円
地方の一般的なサラリーマン家庭で、住宅ローンと並行して捻出するにはかなり重い負担です。しかし、健一さんの中には、この支出を「将来回収できる投資」として捉える意識があったといいます。
背景には、「うちの子どもは優秀、きっと大成する」という期待がありました。息子は小学生時代から成績が良く、地元の塾でも上位。密かに学歴コンプレックスを抱えていた健一さんは、我が子の優秀さに舞い上がりました。
中学受験を経て進学校に進み、その後は都内の有名私立大学へ進学。地元ではないため仕送りも必要でしたが、妻を説得して生活を切り詰め、何とかやり繰りをしました。
「うちの息子は、良い会社に就職して幸せになる。親に感謝して、きっと恩返しをしてくれる」――そんな期待が胸の底にあったのです。ところが、その一方的な夢はあっさりと打ち砕かれました。
大学4年になった息子が「内定もらった、ここに行く」と知らせてきたのは、健一さんが聞いたことのない会社。検索すると、社員は50人以下のベンチャー、前年の初任給は21万円ほど(当時)。少なくとも健一さんが期待していた大手有名企業でないことは確かです。
「唖然としました。履修や成績表も見せてもらっていましたが、GPAも優秀だったはずです。就職活動は大手で安定したところにしろと伝えていましたし、無名の会社で妥協するなというのが正直な気持ちでした」

