バリュー株投資の際は「バリュートラップ」に注意
3.株価上昇のきっかけ(カタリスト)があること
株価の変動を読むのに、カタリストは重要な要素になる。
バリュー株は割安でリスクが少ないとはいえ、株価が上がる要素がなければ、いつまでも安いままの「万年割安株」になってしまい、ずっとリターンが得られないこともある。
バリュー株の株価が上向く背景はさまざまで事業の内容によって異なるが、大きく分けて、利益が出て自己資本が拡大するか、もしくは自己資本が拡大する期待によってPBRが切り上がるかの2つになる。
自己資本が拡大する期待とは、たとえば、モノの価格が上がるインフレ、他企業との提携、M&Aなどであり、これらもカタリストになる。場合によっては、日銀の金融政策もカタリストになり得るが、いずれにせよ期待値が高まることで株価が上向いていくことが考えられる。
割安感だけでカタリストが期待できない株に投資してしまうことを「バリュートラップ」という。バリュー株に投資する際は、このトラップ(罠)に陥らないように、有望銘柄を見つけるようにしたい。
『会社四季報 2022年4集 秋号』で、自己資本比率70%以上、PBR0.7倍以下(9月16日終値)の銘柄としては、たとえば、
婦人下着首位のワコールホールディングス(3591)、
医薬品の鳥居薬品(4551)、
クラッチ専業メーカーのエフ・シー・シー(7296)、
TBSホールディングス(9401)や日本テレビホールディングス(9404)
などが挙げられる。
渡部 清二
複眼経済塾
代表取締役塾長
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