(※写真はイメージです/PIXTA)

土地を相続する際に利用すれば、相続税の課税評価額が大幅に減額される可能性のある「小規模宅地等の特例」。加えて、通称「家なき子特例」と呼ばれるものがあるのをご存知でしょうか? 本連載は、後藤光氏が代表を務める株式会社サステナブルスタイルが運営する、相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』の記事から、一部編集してお届け。今回は、土地を相続する際に知っておくべき「家なき子特例」について、利用するための要件や必要書類、注意点などを詳しく解説します。

家なき子特例の利用可否をケース別に解説

家なき子特例の要件は厳格化されましたが、その要件の内容を冷静にチェックすれば、相続人にとって有効な節税措置となります。具体例をあげながら、家なき子特例の利用の可否を解説していきましょう。

 

家なき子特例が認められるケース

持家の購入は前から決まっていたが、結果的に相続人の死亡後の購入となった(相続開始時から申告期限までに持家を購入した)ケースです。

 

・被相続人A:配偶者が既に死亡し以後一人暮らし、2022年10月1日に死亡。

 

・相続人B:2000年6月に独立し、以来ずっと賃貸物件に居住。2021年に持家購入を決意、2022年11月1日に購入。

 

このケースでは、相続人のマイホームの購入は相続開始の1年前から計画されていたものの、Aが亡くなってから持家を購入しています。相続開始前の3年間に持家へ住んだ経験がないと判断されるため、家なき子特例を受けられます。

 

内容次第では家なき子特例が認められないケース

相続人が所有していた別荘を他人に貸し、自分は賃貸物件に住んでいたケースです。

 

・被相続人A:配偶者が既に死亡し以後一人暮らし、2022年10月1日に死亡。

 

・相続人B:2010年8月2日に別荘を購入、相続開始の3年前から他人へ別荘を貸し出し、自分は賃貸物件に住む。

 

こちらでは、相続人Bが収益物件である別荘を相続開始の3年前から貸し出し、所有している物件に相続開始前の3年間住んでいないので、本特例が受けられるように思われます。

 

しかし、次のような経緯で賃貸契約を結ぶ場合が想定されます。例えば相続人Bが3年前から被相続人Aの入院・容体悪化を把握しており、死期が近いことを予測、友人や知人に相続税を軽減したいので借りてもらいたいと懇願し、賃貸契約をしたケースです。

 

このような事実が判明すれば、あからさまな節税行為とみなされ本特例が認められない場合があります。

家なき子特例が認められるケース

被相続人から宅地を相続したが、そこを賃貸物件で活用したいケースです。

 

・被相続人A:配偶者が既に死亡し以後一人暮らし、2022年10月1日に死亡。

 

・相続人B:相続した土地をその後も所有し続け、賃貸物件に活用したいと考えている。

 

この場合は、相続人Bがずっと相続した宅地の所有を希望しており、相続税の申告期限(被相続人が死亡を知った日の翌日から10ヵ月以内)まで保有すれば、家なき子特例が認められます。

 

もちろん宅地を売却してしまうと、相続人Bの所有でなくなるので特例対象外となります。しかし、所有中に賃貸物件として利益を得る行為や、リフォームを行っても所有権の移転にはあたりません。

 

要件では必ず宅地の上に住まなければいけないということ、賃貸の禁止も要求されていないので、特例の利用は可能です。

次ページ家なき子特例を利用する際に必要な書類

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    ※本記事は、株式会社サステナブルスタイルが運営する相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』より転載したものです。

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