方向性の変化が大前提…「アジャイル開発」の注意点
先述したように、DXプロジェクトは不確定要素が多いため、開発手法としては「アジャイル開発」が適しています。ただし、実際にアジャイル開発を適用する場合、いくつかの点に注意が必要です。
1.スケジュール管理が難しい
アジャイル開発は、そのときどきの状況や変化に柔軟に対応しながら開発を進めます。そのため、全体のスケジュールが見えにくくなることが考えられます。アジャイル開発の場合、変化が起こったさいには関係各所と調整を取り、スケジュールを更新していくことが必要です。
したがって、プロジェクト管理者にはコミュニケーション能力が高く、経験豊富な人材が望まれます。ただし、そのような人材は貴重なため、企業や開発会社によっては適した人材がいないといった状況に陥ることも考えられます。
2.方向性が何度も変わることが前提
変化に対して柔軟に対応できることがメリットであるアジャイル開発ですが、さまざまな要望や変化を取り入れることで、当初想定していた方向性から変わってしまうことが考えられます。
したがって、目的となるものを定めておき、そこからブレないよう注意して進めていく必要があります。また、費用が想定を超えてしまう場合もあるでしょう。それを見越して、細かいスパンで費用実績を確認しながら進めていくことが重要です。
3.コミュニケーションが重要
アジャイル開発では、先述したように状況が刻々と変化していきます。そのため、関係者と密にコミュニケーションを取り、現在の方向性を都度情報共有することが大切です。
関係者からのフィードバックを反映させて、最終の形に近づけていきましょう。コミュニケーション不足に陥ると、結果的に要望からかけ離れたものになってしまう危険があります。
■まとめ
DXプロジェクトでは、市場の変化や顧客要望などに柔軟に対応しながら開発を行う必要があります。初期段階で開発範囲が定まらないため、ウォーターフォール開発の採用は難しい場合があります。どちらの開発手法が正解ということではありませんが、双方の利点を理解し、自社の実情に合わせた手法を取り入れ、DXプロジェクトを進めていきましょう。
日向野 卓也
株式会社GeNEE
代表取締役社長
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