自社のDXをコンサルに任せて「成功する会社」と「失敗する会社」の決定的な差【専門家が解説】

自社のDXをコンサルに任せて「成功する会社」と「失敗する会社」の決定的な差【専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

近年の急速なデジタル化にともない、DXが重要であることは理解しつつも、実際には「やり方がわからない」「DXを進められる人材がいない」といった悩みを抱えている経営者も少なくありません。こうした場合、企業へのDX導入を支援する「DXコンサルティング」の活用がおすすめだと、株式会社GeNEE代表取締役社長の日向野卓也氏はいいます。今回は、DXコンサルの特徴やメリット、注意点についてみていきましょう。

「依頼するだけ」はNG…DXコンサル利用時の注意点

自社の適正に合わせたDX化を行うことで、ビジネスの変革や生産性の向上が見込めます。ただ、DXコンサルを活用する場合、注意が必要な場面も存在します。具体的には以下の3点です。

 

1.業種の特性や文化の理解に時間がかかる

DXを進めるうえで戦略を立てる際は、大前提としてその業界や現在行っている業務の知識が必要不可欠です。しかし、DXコンサルはあくまで社外の人間ですから、その企業の特性や文化に必ずしも精通しているわけではありません。

 

そのため、DXコンサルに依頼する場合は序盤から大きな期待を持つのではなく、数ヵ月~半年間ほど、長期的な視点で動きをみる必要があるでしょう。

 

2.“依頼するだけ”はNG…積極的なプロジェクト参画を

DXコンサルは、クライアントの経営課題や組織課題を洗い出すために、さまざまなデータを収集し、定量的に調査・分析します。また、各担当が抱える細かな悩みや苦労をヒアリングし、それらの情報を可能な限り網羅し、定性的に調査・分析します。

 

この収集・ヒアリングする情報やデータの出し手は基本的にはクライアント(依頼者)側になりますので、情報提供を拒んだり、提供が遅れたりした場合、定量分析・定性分析ともに精度の悪いものとなってしまいます。

 

したがって、自社のDX化を適切に実現するためには、社長や経営幹部層が現場層に対しても協力を仰ぎ、積極的にプロジェクトに関与させることが重要です。

 

3.理想の姿は見えたが、実行フェーズに踏み出せない

自社DXの実現に向けて、DXコンサルを導入してプロジェクトが進行していくなかで、「To-Beモデル」と呼ばれる自社の理想の姿が見えたとします。しかしそこでプロジェクトは終わりではありません。課題を洗い出し、DX化のための戦略を立て、To-Beモデルが見えたあとは、既存ツール・システムの統合や刷新、改修、新規事業開発といった、「実行フェーズ」に入っていきます。

 

その際、依頼したDXコンサルがこの「実行フェーズ」を担当していないケースも存在するため、注意が必要です。

 

「戦略はDXコンサル会社」「開発はシステム開発会社」のように役割が分かれてしまうと、両社の見解の違いや技術的な理解の差により、肝心の実行フェーズがうまくいかないことも往々にしてありえます。

 

そうならないためには、DXコンサル業者を選定する段階で「ワンストップ(一気通貫)」で戦略~実行まで依頼できる会社を探すといいでしょう。

 

事情によりやむをえず複数の会社に依頼する場合には、実行フェーズの進め方や将来的な計画を密に連携しあい、プロジェクトが停滞しないように気をつけましょう。

 

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