<速報>国税庁、ついに「タワマン節税」を無効化!次の狙いは「不動産小口化商品」か【税理士が解説】

<速報>国税庁、ついに「タワマン節税」を無効化!次の狙いは「不動産小口化商品」か【税理士が解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

富裕層の間でポピュラーな相続税対策の一つだった「タワマン節税(タワーマンション節税)」に関し、一部報道によれば、国税庁がマンションの相続税評価額の算定方法の新ルールを設ける見通しであることが判明しました。施行されればタワマン節税の旨味は大幅に失われます。タワマン節税の内容と問題点、導入されるとみられる新たな計算ルールの概要、今後考えられる税制改定の方向性について、税理士の黒瀧泰介氏が解説します。

「マンション」の相続税評価額の新しい計算ルール

まず、タワーマンション(以下「タワマン」)を含むマンションの相続税評価額について、国税庁により新たに採用される見通しとなった計算ルールを紹介します。

 

第1段階として、後述する従来の「相続税評価額」が、実勢価格とどれだけ乖離しているか(乖離率)を計算します。

 

乖離率の計算式は以下の通りです。

 

【乖離率の計算式】

実勢価格÷従来の評価額

 

そして、第2段階として、乖離率に応じ、以下のように相続税評価額を計算します。

 

【マンションの相続税評価額の計算式】

・乖離率が約1.67倍以上の場合(従来の評価額が実勢価格の60%超の場合):実勢価格×60%

・乖離率が約1.67倍未満の場合(従来の評価額が実勢価格の60%以下の場合):従来の評価額

 

これは、統計上、「戸建て」の場合の乖離率の平均が「1.66倍」、つまり評価額が実勢価格の60%程度であることと平仄を合わせるものといえます。

 

一戸建てとのバランスも踏まえ、相続税評価額を実勢価格に近付けるものです。

 

なぜ、このようなルールが設けられることになったのか、「タワマン節税」の何が問題視されているのか。今後、予想されるさらなるルール改定はどのようなものか。以下、従来の「タワマン節税」のしくみに触れながら解説を加えます。

タワワン節税とは

タワマン節税は、タワマンの「高層階」の相続税評価額が実勢価格より著しく低いことを利用して、相続税を抑えようとするものです。

 

相続税法上、一般的に、不動産(土地と建物)の相続税評価額は、実勢価格よりも低く算出されるルールになっています。

 

なぜなら、不動産は「居住の場所」「事業の場所」になることが多く、相続税の負担を重くすべきではないと考えられているからです。

 

タワマンの高層階も、本来、「生活の場」として考える限り、その理屈があてはまるはずです。しかし、実際には、富裕層の「相続税対策」、特に「相続税の節税」の手段として用いられるケースが多くみられました。

 

その理由は、現行制度上、タワーマンションの高層階は、実勢価格と相続税評価額に大きな乖離があるからです。

 

以下、順を追って説明します。

不動産の評価額の原則的な算定ルール

まず、不動産(土地、建物)の相続税評価額の原則的な算定ルールについてお伝えします。

 

土地、建物のそれぞれについて以下の通りです。マンションは住戸ごとに「建物」と「敷地(底地)」のそれぞれについて評価額が算出されることになります。

 

【不動産の相続税評価額】

・土地:路線価(実勢価格の80%程度)

・建物:固定資産税評価額(実勢価格の70%程度)

 

これに加え、土地については後述する「小規模宅地等の特例」の対象となれば、評価額がさらに「80%減」または「50%減」となります。

 

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