写真提供:一級建築士事務所MUK 写真:西 恭利

知られざる「日本の住宅とその性能」について焦点をあてる本連載。今回のテーマは「太陽光発電」。最近、高性能な住まいとセットに語られることが多くなっていますが、実際はどうなのでしょうか。今回は、なぜ国や自治体が普及促進を図っているのか、また注目を浴びている東京都の太陽光発電の設置義務化の制度について解説します。

他自治体や他国の動き

太陽光パネルの設置義務化は、諸外国においても制度化(図表6)が進んでいます。たとえば、米国では、2019年にニューヨーク市で新築及び大規模屋根修繕する建築物への太陽光発電、または緑化を義務化、2020年以降は、カリフォルニア州でも州内すべての新築住宅に太陽光発電設置の義務化を行っています。

 

図表6

 

ドイツでは、州政府において太陽光発電義務化条例を制定しているほか、ベルリン州では、2023年1月1日から、住宅への太陽光発電の設置義務化が開始されています。

 

また、国内自治体においては、2022年から京都府・市で一定規模以上の新築建物等を対象に設置の義務化を行っています。また、2023年から群馬県で設置の義務化が開始されるほか、川崎市でも2025年から新築建物への設置を義務化する制度が開始される予定です。

なぜか根強い太陽光発電に対する誤解

上述の東京都の制度に対してだけでなく、太陽光発電自体に対して、否定的な意見が非常に根強くあるようです。ただ、これらの否定的な意見も誤解に基づくものが少なくありません。これらの誤解に対して、東京都ホームページで説明しています。

 

また、東京大学工学系研究科准教授の前真之氏が、自ら各方面の専門家にヒアリングを行った結果をまとめて、「太陽光ファクトチェック」で公表しています。

 

これらについては、別途詳しく解説しますが、事実に基づかない噂に惑わされずに、これらの客観的な情報をもとに判断することが大切です。

 

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