所有権移転登記で土地の名義を受贈者に変更する
登記申請書と必要書類が揃ったら、登記対象となる不動産がある地域の法務局に提出します。どこの法務局でも手続きができるわけではないので、管轄の法務局が分からない場合は以下の法務局サイトで調べるようにしてください。
法務局:管轄のご案内
登記完了までにかかる日数は法務局の混雑状況等によって変わりますが、書類に不備がなければ一般的に1~2週間ほどで手続きが終わり、登記識別情報・登記完了証を受け取れば、登記は完了です。
贈与税の申告を行う
土地のような高額な財産を贈与すれば、一般的に贈与税がかかるため贈与税の申告が必要です。贈与税の申告・納税が必要な場合、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に申告・納税をしなければいけません。
贈与税を納めるのは、贈与者ではなく受贈者です。受贈者の住所地を管轄する税務署で手続きをします。申告書は、国税庁のサイトからダウンロードが可能です。
土地の生前贈与でかかる税金と費用
土地の生前贈与では、税金と費用がかかります。特例制度をうまく活用すれば節税になって負担を軽減できる場合がありますが、ある程度の税金や費用はどうしてもかかるので、支払いに充てるための資金を準備しておかなければいけません。
以下では、土地の生前贈与でかかる税金や費用を紹介するので、どれくらいの資金を準備する必要があるのか、事前に確認しておきましょう。
贈与税
一般的に、年間の贈与額が110万円を超えると贈与税がかかるので、土地のような高額な財産を生前贈与すれば贈与税がかかります。
・贈与税=(1年間の贈与額–110万円)×税率−控除額
贈与税の税率は10%~55%で、贈与額から110万円を引いた後の金額が大きいほど税率が高くなります。また、贈与者と受贈者の関係によって、適用される税率が変わる場合があります。
例えば、親から成人の子に土地1,500万円を贈与する場合、税率40%・控除額190万円で税額は「(1,500万円−110万円)×40%−190万円=366万円」と計算できます。
登録免許税
登録免許税とは、登記をする際にかかる税金です。生前贈与に伴って土地の登記をする場合も、登録免許税がかかります。
・登録免許税=課税標準額×税率
登録免許税の税率は登記をする理由によって変わり、贈与による登記の場合は2%です。税額計算で使う土地の価格(課税標準)は、固定資産評価額の1,000円未満を切り捨てた金額で、税率をかけた後の金額に100円未満の端数がある場合は切り捨てます。
例えば、土地2,000万円の生前贈与であれば「2,000万円×2%=40万円」の登録免許税がかかる計算です。
不動産取得税
不動産取得税とは、不動産を取得したときに課税される税金です。生前贈与によって土地を取得する場合も、不動産取得税がかかります。
税率は原則として4%で、土地や住宅に関しては現在軽減措置があるため税率は3%です。
例えば、土地2,000万円の生前贈与であれば「2,000万円×3%=60万円」の不動産取得税がかかります。
必要書類の取得費用
土地の生前贈与で必要になる書類のうち、主なものの取得費用は以下のとおりです。
・固定資産評価証明書:1通200~400円程度(自治体による)
・戸籍謄本:1通450円
・住民票:1通300~400円程度(自治体による)
・印鑑証明書:1通200~400円程度(自治体による)
・登記簿謄本:1通600円(申請方法による)
代行手数料(司法書士や税理士に依頼する場合)
登記を司法書士に依頼する場合や贈与税の申告を税理士に依頼する場合、代行手数料がかかります。
司法書士に登記を依頼する場合の費用の目安は7~15万円です。事務所ごとに費用の金額は異なるので、実際に依頼する場合は報酬体系等をよく確認するようにしてください。
また、税理士に贈与税の申告を依頼する場合、適用する特例に応じて加算報酬がかかることがあります。