(※写真はイメージです/PIXTA)

後藤光氏が代表を務める株式会社サステナブルスタイルが運営する、相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』の記事から、一部編集してお届け。今回は、「農地の相続税をかからないようにする方法」について詳しく解説します。

農地の相続税猶予制度を利用する際の手続き先と方法

相続税猶予制度を利用するには、農業委員会、市区町村役場、税務署にそれぞれ申告をしなければいけません。

手続きの流れ

次のような手順で進めていきます。

 

1.農業委員会へ相続税の納税猶予に関する適格者証明願等を提出

2.農業委員会が書類の他、農地をチェック

3.問題なければ農業委員会は適格者証明書を発行

4.市区町村役場で納税猶予の特例農地の農地等該当証明書を取得

5.税務署へ相続税申告書・必要書類を提出

6.相続税の申告期限から3年目ごとに納税猶予適用継続届出書を提出

 

農業委員会への申請から適格者証明書の発行までは、1ヵ月以上かかる場合があります。

必要書類と提出期限

申請に必要な書類は農業委員会、市区町村役場、税務署それぞれ異なります。

 

(1)農業委員会事務局へ提出

適格者証明願・明細書は農業委員会事務局窓口等で取得できます。

 

・相続税の納税猶予に関する適格者証明願(2部作成)

・特例適用農地等の明細書(2部作成)

・被相続人・相続人の戸籍謄本等の写し:戸籍謄本は本籍地の市区町村役場で取得

・相続関係説明図の写し:作成していれば提出

・土地評価証明書または公課証明書の写し:市区町村役場で取得

・遺産分割協議書の写し:遺産分割を行った場合に提出

・特例農地の位置図

 

(2)市区町村役場へ提出

・相続税の納税猶予に関する適格者証明書証明願:市区町村役場窓口・ホームページで取得

・発行手数料:1通300円

 

(3)税務署へ提出

基本的に次の書類を準備します。

 

・相続税の申告書

・相続税の納税猶予に関する適格者証明書:市区町村役場で受け取る

・担保提供書:農地等納税猶予税額・利子税額に見合う担保(例:土地や建物等)を提供するための書類

 

提出期限は相続税の申告の際に、相続税の納税猶予に関する適格者証明書も添付して提出するので、原則として相続発生の翌日から10ヵ月以内です。

 

農地の相続税猶予制度は利用するべきか? 注意点など

農地の相続税猶予制度を検討する際は、申請前に確認するべき事柄があります。

 

注意点

本制度は基本的に相続人が農地を使用し続けないと、納税が猶予されなくなります。次のようなケースでは猶予が打ち切られるので注意しましょう。

 

・特例農地を譲渡・放棄・転用した

・農業経営をやめてしまった

・生産緑地の買取りの申出があった等

 

また、相続税の申告期限から3年目ごとに納税猶予適用継続届出書を税務署へ提出しないと、上記のケースに該当しなくても納税猶予が打ち切られてしまいます。納税猶予が確定する提出期限の翌日から2ヵ月以内には必ず提出しましょう。

 

相談はまず農業委員会へ

申請の条件や手続きに疑問がある場合、農業委員会事務局に相談しましょう。事務局は各市区町村役場に設置されています。

 

相続税の納税猶予に関する適格者証明書の提出期限は、相続税の申告期限と同じなので、事務局の担当者に申請の流れやアドバイスを聞き、スムーズに申請を進めていくことが大切です。

※本記事は、株式会社サステナブルスタイルが運営する相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』より転載したものです。

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