(※写真はイメージです/PIXTA)

X(旧Twitter)など、インターネット上での誹謗中傷被害が後を絶ちません。誹謗中傷などにより名誉棄損された場合、100万円を請求できるケースもありますが、そのためには時効までに対応する必要があります。では、名誉毀損の時効はいつなのでしょうか? Authense法律事務所の弁護士が解説します。

名誉毀損を刑事罰に処すための「時効」

(※写真はイメージです/PIXTA)
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名誉毀損を受けた場合、相手を刑事罰に処すためには、「告訴時効」と「公訴時効」という2つの時効に注意しなければなりません。それぞれの内容は、次のとおりです。

 

告訴時効

告訴時効とは、告訴をする際の時効です(刑訴法235条)。まず、名誉毀損罪は「親告罪」に該当します。親告罪とは、被害者側から告訴をしなければ、検察が公訴をすることができない罪です。そのため、被害者側が告訴をしない限り、加害者が名誉毀損罪に問われることはありません。

 

そして、名誉毀損罪などの親告罪において、この告訴をすることができる期間は、犯人を知った日から6ヵ月とされています。この期間を過ぎると、もはや告訴をすることはできません。

 

公訴時効

公訴時効とは、起訴をする際の時効です(刑訴法250条)。名誉毀損罪などの親告罪で相手の刑が確定するまでのおおまかな流れは、原則として次のようになります。

 

1. 被害者側が加害者を告訴して捜査機関が受理する

2. 捜査機関が捜査をする(※必要に応じて加害者を逮捕する)

3. 検察へ送致する

4. 起訴する

5. 裁判が行われ、有罪か無罪かが決定される(※略式起訴の場合、公開の裁判は行われません)

 

先ほど解説した「告訴時効」は、このうち「1」についてかかる時効であり、この「公訴時効」は、このうち「5」の時効です。公訴時効はその罪に科される法定刑によって異なっており、名誉毀損の場合には3年とされています。つまり、この期間が過ぎてしまうともはや起訴をすることができず、相手を有罪とすることはできません。

名誉毀損をした人に損害賠償請求をするための時効

民事上の損害賠償請求ができる期間にも、時効が存在します。損害賠償請求の時効は、損害および加害者を知ったときから3年です。ただし、加害者などを知らないまま期間が経過したとしても、不法行為の時から20年を経過すると、もはや損害賠償請求をすることはできなくなります。

 

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