小規模事業者持続化補助金の「賃金引上げ枠」とは
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者等の「販路開拓等」の取り組み、「生産性向上」の取り組みの経費の一部を補助する制度です。
以下の5つの「枠」があります。
【小規模事業者持続化補助金の「5つの枠」】
・通常枠
・賃金引上げ枠
・卒業枠
・後継者支援枠
・創業枠
このうち、「通常枠」が一般類型で、「販路開拓」または「生産性向上」の取り組みを行うことが求められています。
そのほかの4つの枠は、それに加えて「プラスα」の取り組みをした場合に、補助金の上限額がプラスされるものです。
本記事で解説する「賃金引上げ枠」は、「販路開拓」または「生産性向上」の取り組みを行うのに加え、「事業所内の最低賃金」を「地域別の最低賃金」より「+30円」以上引き上げた場合が対象となっています。
「賃金引上げ枠」の補助対象額
「賃金引上げ枠」の補助対象額は以下の通りです。
【「賃金引上げ枠」の補助対象額】
・補助率:費用の3分の2(赤字事業者は4分の3)
・補助上限額:200万円(「インボイス特例」対象事業者は250万円)
赤字事業者については「加点」がなされ、補助率の上限が「費用の4分の3」に引き上げられます。
また、「インボイス特例」の対象となる場合は50万円が上乗せされます。これは、消費税の免税事業者が「インボイス発行事業者」(課税事業者)へ転換する場合が対象となります。
対象となる「小規模事業者」の要件
持続化補助金の対象となる「小規模事業者」は、営利法人(会社等)、個人事業主(商工業者)、収益事業を行う一定の「NPO法人」です。
以下のように、業種ごとに「常時使用する従業員数」の要件が設けられています。
【小規模事業者の業種ごとの要件】
・商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く):常時使用する従業員5人以下
・宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員20人以下
・製造業その他:常時使用する従業員20人以下
また、直近過去3年分の「課税所得」の平均が15億円以内であることが要求されています。
さらに、法人の場合は、他の資本金・出資金5億円以上の法人に支配されていない(直接・間接に100%の株式を保有されていない)ことも要求されています。