(※写真はイメージです/PIXTA)

私たちは普段の消費生活のなかで、さまざまなブランドのなかから商品を選んでいます。なかでも「高級ブランド」と呼ばれるものが存在しますが、このようなブランドは、なぜほかよりも特別な価値を持っているとされるのでしょうか? 本記事では、高級ブランドの代表格「ルイ・ヴィトン」の戦略を例に、ブランドの価値について解説します。

ラグジュアリーブランドの価値はなにで決まる?

そのような「ラグジュアリーブランド」の価値は、以下の方程式で説明がつきます。

 

出所:YRK and 事業変革のヒントが見つかる Re/BRANDING magagineコラム
[図表4]ラグジュアリーブランドの方程式 出所:YRK and 事業変革のヒントが見つかる Re/BRANDING magagineコラム

 

仮に、ブランド価値を「憧れや夢」のように設定すると、

 

「憧れの数値」=「知っている人の数」−「買える人の数」

 

となります。この「憧れの数値」が大きければ大きいほど、ラグジュアリーなブランドとはいえ、価格は自社軸でコントロールしやすくなります。

 

逆にいえば、どんなに素晴らしいブランドでも「知る人ぞ知るブランド」は、「買える人の数」は小さいが、同時に「知っている人の数」も少ないので、「憧れの数値」は小さく、ラグジュアリーとはいいがたいのです。

 

「憧れの数値」が大きいラグジュアリーブランド「ルイ・ヴィトン」

前述の方程式でいえば、ラグジュアリーブランドは「憧れの数値」を最大化するために、とても努力をしているブランドといえます。つまり、ラグジュアリーブランドの価値成長は「買えない人の数を増やす」ことに投資をしているブランドだといえるのです。

 

出所:YRK and 事業変革のヒントが見つかる Re/BRANDING magagineコラム
[画像1]ラグジュアリーブランド 出所:YRK and 事業変革のヒントが見つかる Re/BRANDING magagineコラム

 

たとえば、ルイ・ヴィトンは、おおよそ誰もが知っています。どこの百貨店にも存在し、上質な認知が圧倒的である一方、価格や佇まいは敷居が高く、すぐには購入しにくいブランドです。自分への納得感や、お財布との相談も必要になり、特別なときに買おうという希少な存在となっています。

 

すなわち、結果的に「憧れの数値」が大きいということになります。そう考えると、割引などで価格を下げてしまうと供給数が増えてしまい、「憧れの数値」は小さくなるため、決して「値段を下げてはいけない」という考え方に至ります。

 

逆に、供給数が多いものは、戦略的に出店を増やすなど認知度を上げ、「憧れの数値」を大きくする必要が出てきます。そこに、買う瞬間の高揚感や、愛用時の満足度が加算され、より価値の高いブランドへと成長していくのです。

 

ちなみに、スターバックスのようなブランドは、これに購入回数や使用頻度を掛け算すると理解できます。スターバックスは、ラグジュアリーブランドという言葉は当てはまりませんが、とても価値の高いブランドであることはいうまでもありません。

 

出所:YRK and 事業変革のヒントが見つかる Re/BRANDING magagineコラム
[画像2]スターバックス 出所:YRK and 事業変革のヒントが見つかる Re/BRANDING magagineコラム

 

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