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「所有者不明土地」は、隣接土地への悪影響や土地開発事業の阻害など多くの観点から問題視されています。本連載は、司法書士法人みどり法務事務所が運営するコラム『スマそう−相続登記−』から一部編集してお届け。本稿では、「土地の相続登記をしないことで発生する問題」や「土地を相続したくないときの選択肢」について解説します。

日本では、不動産の所有者が死亡したが相続人が名義変更を行わず放置、不動産の所有者の所在が不明などの理由により所属者不明土地が増えています。

 

所属者不明土地は、隣接土地への悪影響や土地開発事業の阻害など多くの問題に発展するため、対策として法改正が行われています。

所有者不明土地とは?

●所有者がわからない土地のこと

所有者不明土地とは、次のような土地を指します。

 

・①相続登記が行われていないため土地の所有者が判明しない土地

・②不動産の所有者が転居したため所在が不明な土地

 

平成29年度の国交省調査では、国土の22%もの割合が所有者不明土地となっており、今後も増えることが懸念されています。

 

●所有者不明土地ができる理由

所有者不明土地が発生する主な理由として、以下が挙げられます。

 

・①土地の所有者が死亡した際に相続登記が行われない

・②土地の所有者が転居した際に住所変更の登記をしない

 

これまで、家・土地の所有者・住所が変わってもそれの変更登記を行うのは義務ではなく、また変更登記をしなくても罰則は設けられていませんでした。

 

そのため、相続登記が行われないまま放置され、その間に何度も相続が発生して土地の共有者が増えていくことにより、話をまとめることができなくなり、実際の土地所有者の特定や土地の処分が困難になっていきます。

 

なお、詳細は後述しますが、法改正により相続登記は義務となります。

所有者不明土地が問題視される理由

●売却や賃貸などの活用ができないから

土地の所有者が不明だと、その土地を売却・賃貸することができません。

 

土地が共有の場合、売却・賃貸するには共有者全員の同意が必要となりますが、相続登記がされないまま放置された土地は、何度も相続が発生し、多数の共有者が存在している状態となります。放置された期間が長いほど、共有者の調査や話し合いは難航し、所有者の一部が土地を処分したくても、他の共有者全員の同意を取り付けることが困難になっていきます。

 

また、土地の所有者が不明のため、用地買取交渉ができず公共事業や復興事業の妨げにもなる、土砂崩れなどの被害が生じても対策ができないなどの不都合も生じます。

●近隣住民に迷惑をかけるから

所有者不明土地は管理する人がいないため、問題が生じても放置され、近隣住民に迷惑をかけることになります。

 

建物が建っている土地の場合、建物の老朽化による倒壊の恐れがあります。建物が立っていなくても、雑草が生い茂ることにより虫が湧く、不法投棄物の放置などの問題がありますが、所有者が不明である以上、その土地を管理する様に注意することもできません。

 

その結果、周辺土地の地価にも悪影響を与えることになります。

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