(※写真はイメージです/PIXTA)

親やパートナーの介護に疲れ、苦悩の末手にかけてしまうという痛ましい事件がたびたび報道されます。超高齢社会に突入し、老々介護問題もより深刻化することが予想されるなか、介護をめぐる諸問題は決して他人事ではありません。そこで今回、介護保険の利用方法と利用者の「実際の声」を紹介します。※本記事内の情報は、2021年4月時点のデータに基づいています。

介護サービスを受けるには「申請」が必須

Q.どうすれば介護保険を使えるの?
……A.まずは申請。要介護認定を受けましょう

 

介護保険のサービスを受けるためには申請が必要です。65歳以上になると「介護保険被保険者証」が送られてきますが、医療保険証と違って、これを見せても介護を受けられるわけではありません。

 

手続きは、本人(親)が住んでいる市区町村の窓口や地域包括支援センターなどで。家族がかわりに申請することもできます。その後、本人の自宅(入院中は病院) に認定調査員が来て聞き取り調査を行います。その結果と主治医の意見書をもとに、要介護度や要支援度が決まるのです。

 

認定区分によって使えるサービスが違うので、不服の場合には「区分変更申請」を市区町村に提出しましょう。再度認定審査を受けることができます。

 

※上大岡トメ氏の書籍『親の介護とお金が不安です』より引用。なお、図中の情報は2021年4月時点のデータに基づいています。
[図表]介護保険を利用するには ※上大岡トメ氏の書籍『親の介護とお金が不安です』より引用。なお、図中の情報は2021年4月時点のデータに基づいています。

介護保険の申請&利用わが家の場合【アンケートより】

■1ヵ月の介護休業は「ありがたかった」

実家は地方、私は東京で仕事をしているので、1ヵ月の介護休業を取得して実家に戻り、その間に要介護認定を進めた。

 

実際にやってみて、かかりつけ医とのやりとり、認定調査の立ち会い、認定がおりてからの契約など、認知機能があやしくなった母ひとりではとても不可能だったことを実感。そのつど通っていたら私が精神的に参っていたかも。自治体の配食サービスやシルバー人材センターの生活支援の手続きもできたので、1ヵ月の休みは有意義だった。

〔とんちゃんさん/58歳〕

 

■ヘルパーを頼まず「老々介護」…介護保険を使いこなせばよかった

老老介護の両親。父が要介護認定を受けたあともヘルバーさんを頼むことをせず、母がずっと在宅介護をしていた。やせていても男の人は体が重く、日々の介護や通院の付き添いも大変だったと思う。

 

その後、父は脳梗塞を患い、入院して亡くなったが、介護保険を使いこなせていれば入院よりもよい方法があったのではないかと悔いが残る。

〔アマミさん/59歳〕

 

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※本連載は、上大岡トメ氏による著書『マンガで解決 親の介護とお金が不安です』(主婦の友社)より一部を抜粋・再編集したものです。

マンガで解決 親の介護とお金が不安です

マンガで解決 親の介護とお金が不安です

著者:上大岡 トメ
監修:黒田 尚子

主婦の友社

ベストセラー『スッキリ』『キッパリ』を生んだ漫画家上大岡トメ氏が、超高齢社会&介護未体験ゾーンに突入! いま、なにをするべきなの? 上大岡氏の「親の介護とお金」の疑問を、介護問題にも詳しいファイナンシャルプラ…

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