(※写真はイメージです/PIXTA)

親やパートナーの介護に疲れ、苦悩の末手にかけてしまうという痛ましい事件がたびたび報道されます。超高齢社会に突入し、老々介護問題もより深刻化することが予想されるなか、介護をめぐる諸問題は決して他人事ではありません。そこで今回、介護保険の利用方法と利用者の「実際の声」を紹介します。※本記事内の情報は、2021年4月時点のデータに基づいています。

■掃除も散歩も「サービス外」と言われたが…

認知症の義母の要介護認定がおりたとき、いちばんお願いしたかったのはトイレや居間のそうじだった。しかし義父と同居していたため「共有スペ—スはそうじできない」と言われ、あきらめた。

 

徘徊ぎみの義母の散歩に付き添ってほしかったが、それもサービスにはないと言われ、なんとか「買い物介助」と名目でやってもらった。病院での付き添いもサービス外だと言われ、通院のたびに私が新幹線で駆けつけたが、自費のサービスでやってもらえることをあとで知った。

 

いま思えば、義父も胃がんで動けなかったのだから、一緒に要介護認定を受ければよかったのだ。知らないと本当に損をする。

〔Kさん/49歳〕

 

■80歳を過ぎた父が「嫉妬」でイライラ

母のリハビリのために理学療法士(男性)が週1回訪問してくれたが、そのつど父が不機嫌になりイライラする。なぜかわからず困り果てたが、「もしや」と思い、女性の理学療法士にチェンジしてもらったらすぐに落ち着いた。

 

人は80歳を過ぎても嫉妬するのだ。人間の心の複雑さを目の当たりにして驚いた。

〔N・Kさん/61歳〕

 

■「保育園みたい」…デイサービスを嫌がる母

歩行困難になった義母に週3回デイサービスに行ってもらっているが、「保育園のよう」「老人ばかり」と毎回イヤがる。義母には「安全に入浴してもらい、リハビリをすることが目的」だと理解してもらい、なんとか行ってもらっている状態。

 

デイサービスの活動内容そのものも、大人としての尊厳を守るものであってほしいと思う。

〔うめあんずさん/55歳〕

 

 

上大岡 トメ

イラストレーター

 

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※本連載は、上大岡トメ氏による著書『マンガで解決 親の介護とお金が不安です』(主婦の友社)より一部を抜粋・再編集したものです。

マンガで解決 親の介護とお金が不安です

マンガで解決 親の介護とお金が不安です

著者:上大岡 トメ
監修:黒田 尚子

主婦の友社

ベストセラー『スッキリ』『キッパリ』を生んだ漫画家上大岡トメ氏が、超高齢社会&介護未体験ゾーンに突入! いま、なにをするべきなの? 上大岡氏の「親の介護とお金」の疑問を、介護問題にも詳しいファイナンシャルプラ…

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