東京都の一等地に自宅を所有しているようなケースでは、その自宅の評価額だけで相続税の課税対象となることが少なくありません。この問題を一気に解消できる「小規模宅地等の特例」について改めて見ていきましょう。

都内に自宅を所有していると・・・

相続財産が自宅とその敷地しかなくても、その自宅がかなり高い評価額になるケースがあります。

 

東京都内の港区や中央区、渋谷区、新宿区などの一等地は、住宅地であっても1㎡あたりの路線価が100万円以上になることもあります。すると、自宅とその敷地だけでも1億円や2億円の評価額になってしまいます。

 

祖父の代から、いわゆる一等地に住んではいるけれども、自分は普通のサラリーマンで年収600万円前後という人はたくさんいます。「親が亡くなって相続が発生したら、相続税を払う現金がない」と心配して相談に来られる方がこれまで何人もいました。

「小規模宅地等の特例」だけで相続税ゼロも可能

自宅にかかる相続税については、「小規模宅地等の特例」を使えば一気に問題が解消します。小規模宅地等の特例は大半の人にかかわる大事な特例ですので、具体例で使い方を見てみましょう。

 

父はすでに故人、母が亡くなって相続が発生したケースです。相続人となる子が2人いるとします。母の自宅の敷地は路線価が1㎡あたり100万円の一戸建て住宅で、広さは240㎡としましょう。土地の評価額は路線価×土地面積なので、2億4000万円です。

 

子のうちいずれかが母と同居しており、母の死後もその自宅に住み続けるのであれば、小規模宅地等の特例が適用されます。自宅用の敷地について240㎡(平成27年1月1日より330㎡)まで8割の評価減ができます。

 

すると、2億4000万円の評価額は4800万円まで大きく下がります。相続人が3人いれば税制改正後でも基礎控除額は4800万円ですから、これで一戸建ての敷地分の相続税評価額は相殺できます。

 

基礎控除を引いてもギリギリで相続税がかかりそうだというボーダーラインなら、この小
規模宅地等の特例だけで相続税をゼロにできます。

 

子が同居していない場合は、唯一の例外を除いてこの特例が使えませんから、可能なら母の生前に同居を開始しておくといいでしょう。唯一の例外というのは、通称〝家なき子〞と呼ばれる相続人が自宅を相続し、そこに住み続ける場合です。〝家なき子〞は相続までの3年間、賃貸住宅に住んでいたり社宅住まいであったりする相続人のことをいいます。マイホームを持たないことから、こういう呼ばれ方をしています。

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    本連載は、2013年11月1日刊行の書籍『相続税対策は顧問税理士に頼むと必ず失敗する』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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