(※写真はイメージです/PIXTA)

地方移住を検討していると、まず悩むのが「最初の住まいをどうするか」という問題です。地方に永住する意気込みで移住を検討している場合、始めから戸建て購入を選びがちですが、最初の住まいは賃貸マンションにすべきと、地方移住や2拠点・多拠点生活に関する情報発信メディアを運営する合同会社Stoneintechの中嶋遼太代表はいいます。一体なぜなのでしょうか、みていきます。

はじめての地方移住なら賃貸マンションがおすすめ

(※写真はイメージです/PIXTA)
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結論、はじめて見知らぬ土地へ移住するなら賃貸マンションがおすすめです(賃貸の戸建ても可)。

 

それは、賃貸の場合やり直しが効くからです。そのほかにも理由はいくつかありますが、最悪の場合を想定して、また引っ越せばこれまでの生活環境に戻れるという状態にしておくことが、はじめての移住には重要です。

 

また、その土地に定住・永住するという重たい考えになりにくいので、ご自身に「合わなかったらまた引っ越せばよい」と移住後の生活も少し気が楽になるでしょう。

なぜ「賃貸マンション」がおすすめなのか?

(※写真はイメージです/PIXTA)
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ここからは、上述した「はじめての地方移住なら賃貸マンションがおすすめ」という理由を実際に移住した方の体験談の紹介も交えて解説していきます。

 

移住に失敗してもやり直しが効く

こちらは上述した内容と同じですが、最悪の場合もとの生活環境に戻れるという状態にしておくことが、精神的にも、パートナーや子育てにおいても大事です。

 

たとえば、移住後には下記のような思いもよらぬ事態が起きたとします。

 

・移住先の不便さが想像以上に耐えられないものだった

・パートナーが急に体を壊し医療体制が充実した環境が必要になった

・お子さんの通学先の学校が合わなかった(子供たち同士の人間関係など)

・ご両親が急病で世話をしなければならなくなった

 

上記のようなことが事態が起こる可能性があることを頭に入れて、最悪の場合を想定した住まい選びが大切になるため、はじめは賃貸マンションをおすすめします。

 

<体験談① 大阪府→愛媛県松山市→愛媛県東温市>

奥様の大病で移住を考え始めた岡さん。しかし、「地方で仕事があるか不安だったのでまずは企業も集まる松山市内で仕事を探し、賃貸物件に住み始めました」

 

その後は、愛媛県への永住を決めお隣のまち東温市に新居を新築されました。

 

「2段階移住」という選択肢

有田市空撮

 

「2段階移住」とは、最初は地方のある程度都会的な利便性を残した環境で暮らし、その後より田舎の地方へ移住するという考え方です。

 

段階を踏んで移住するため、「2段階移住」と呼んでいます。

 

実は、自治体側もミスマッチを防ぐ意味で積極的に取り組んでいます。たとえば、高知県ではまず四国のなかでも中核的な都市機能を備えた高知市に住んでもらい、その後に高知県内のより田舎のまちへの移住を推奨しています。

 

これにより、その土地やエリアごとの特性や特徴、自然環境、風土、文化だけでなく、町に住む人の雰囲気や、教育環境、治安や身近なスーパーや市場、交通アクセスなど住む場合に事前に知っておきたい情報が、リアルに収集することがきます。

 

そのため、より地方へ移住してもミスマッチが少なく理想の田舎ライフを送れる方が多いのです。

 

<体験談② 東京都→埼玉県上尾市→長野県上田市>

「家と東京都心にある仕事先を往復するだけの日々に疲れていた」と語る相川さん。ちょっと後ろ向きなプチ移住でしたが、上尾駅からバスに乗って約20分、畑の隣にある庭付きの一軒家でした。それが人生を変える大きなキッカケになりました。

 

その後は、田舎での農作業に目覚め最終的に長野県の上田市にある限界集落へ移住し農家として活躍されています。

 

<体験談③ 兵庫県→北海道札幌市→北海道帯広市>

兵庫県から北海道の札幌市へプレ移住し、その後帯広市へ2段階移住されたかんべさん。もともとは旅先として北海道を訪れており、惚れ込んで移住を決意されたそう。

 

最初の移住先を札幌にしたのは、いきなりの田舎暮らしに不安があったからです。札幌で北海道暮らしに慣れてから地方に移住する「二段階移住」を考えました。現在は帯広市に住んでいますがとても快適です。

 

その土地に住んでみると、よりよい物件が見つかる

田辺市田舎エリア

 

移住する際に、「思い立ったら即行動!」と物件探しもネットにある情報だけを頼りに決めてしまう方もなかにはいるかもしれません。筆者である私もそのタイプなのですが、移住における物件探しでは避けたほうがよいです。

 

地方の優良物件は、ネットに掲載されているものもあれば、掲載されていないものもたくさんあります。まずネットに掲載する方法を知らなかったりして、所有者は手放したいけど放置されている空き家なんかもたくさんあります。

 

自治体が積極的に空き家の情報を集めて「空き家バンク」を運営していますが、自治体によっては運営に人手が回っておらず、「空き家バンク」だけでもすべては網羅されていません。

 

※ 空き家物件情報を地方公共団体のホームページ上などで提供する仕組みのこと

 

では、どうすればよいか?

 

地元の不動産会社に話を聞くか、移住先で人脈などを作って、優良物件の情報を聞くしかありません。優良物件の情報などは、その土地に住む人たちのコミュニティの中で情報が行き交っています。

 

賃貸で暮らしながら、地元の方とのコミュニティに馴染み「あそこの物件には誰も住んでいなさそうですけど……」と聞けば、いろいろ教えてくれるでしょう。地元の手放したい物件の所有者も、信用できる人や大切にしてくれる人に貸したり、売ったりしたいのが人間の心理です。

 

<体験談④ 東京都→兵庫県淡路島>

「現在は賃貸アパートに住んでいますが、将来的には古民家に移り住む予定です。家賃は7LDK+庭・倉庫付きで月3万円と格安です。状態のよい空き家は、市場に出てこないことが多いです。身内や知人など、人づてに情報が流れていって限られた人間関係の中で買い手がつくので、地域外の移住検討者にはなかなか優良物件の情報は降りてこないですね。

 

移住後に、腰を据えて物件を探すと間違いが少ないでしょう。

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